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荒神様の境内では焚き火がたかれ、近所の人たちが三々五々集ってきて、お互い挨拶などをしている。そのうち、どこからこんなに出てきたのかというほど子どもたちが現れて賑わいだした。
やがて、町内の年男・年女や役員が社殿の廊下や欄干の前に並んで、地豆やキャンデーの入った袋、みかん、お菓子を投げ始めた。わあわあいう声と取ったり拾ったりする人垣の揺れで大騒ぎとなった。エプロンにいっぱい獲物を入れてかえる女性、両手にいっぱいの袋を提げていく子ども。ちょっと気恥ずかしげだったり、大得意だったりと皆笑顔だ。
我が子のはじける笑顔を見るにつけ、こういった地域の行事や風物がずっと残っていって欲しいと思った。(土屋)
小さな蕾だが、幾重にも苞(ほう)が取り巻いて、冬の寒さから守られているのがわかる。
雪や氷を割って出てくる緑は健気で力強さも感じられ、元気づけられた。皆に笑われそうだが、ふきのとうが伸びて咲く花茎と丸い葉っぱのついた葉柄は、地下茎でつながった別のものだと初めて知った。葉っぱは夏ごろまで良く見るけど、ふきのとうは、その後どうなっちゃうのだろう。
子どものころ、春になると1回は「ふき味噌」が食卓に出され、その独特の香りと苦味の食べ物を大人はどうして喜んで食べるんだろうと思ったものだ。
居酒屋などでふきの煮物がお通しで出されると、母やおばあちゃんがアクで指先を黒くしながら、近所で取ってきたふきの葉柄の皮を器用に剥いていた、四半世紀も前のことを思い出す。(土屋)
「冬に食べるもののない鳥さんたちに、実を残しておいたんだよ」と話した。自分が子どものころ、自宅の柿の木でも数個の実を残してあり、それを鳥が食べていた記憶があったからだが、子どもに説明した後で少々不安になった。
家に帰って広辞苑で調べてみると、『木守り(きまもり)』=来年もよく実るようにというまじないで木に取り残しておく果実。とある。子どもにはもう一度説明をした。
柿やリンゴ以外にも果物全般に行われるようで、生産者の皆さんは、果実(自然の恵み)をもらったら、果樹への感謝や天(自然)への敬いの意味を込めて、全部取ってしまわず一つ二つの果実を残すという慣わしを守っているのだと思う。鳥たちは、そのおすそ分けに預かったり、種を運んで繁殖の手伝いをしているのかもしれない。(土屋)
4時から「どんど焼き」が始まり、青竹や藁(わら)などで作られたやぐらと注連飾りや達磨が燃えて、どかん・どかんと鳴る竹の爆音に子どもたちが大きな歓声を上げた。火勢が弱まったころ、子どもたちが先を競って繭玉や餅を焼く。私も子どもから繭玉をご相伴に預かり、その少し焦げて熱々のおいしかったこと。子どもと楽しんだ一日だった。地区の役員さんお疲れ様。
広辞苑には、『どんど』=「小正月(1月15日)に村境などで行う火祭り。門松・竹・注連縄(しめなわ)などを集めて焼く。」とある。松本地域では「三九郎(さんくろう)」、南信では「ほんやり様」と呼ばれたり、県内でも地域で様々な呼び方があるようだ。
稲藁で作った正月飾り等を燃やし、米の粉で作った繭玉や餅を食べるのは、昔から村々で無病息災や五穀豊穣を願ったという背景があるからだろう。「はやし歌」を歌いながら行うところもあると聞き、伝統文化を伝えていくことや、地域の方々との交流の場として残していきたい祭事だと思った。(土屋)
新年を期して長野県生協連のホームページをリニューアルしました。今後ますますのご愛顧をお願いいたします。
長野県生協連は、21会員生協の活動を支援し、交流・連帯を促進しているほか、長野県内のJAや森林組合、漁協との協同組合間協同を前進させ、くらしを守る取り組みを進めています。生協連や会員生協の活動を、さらにタイムリーでわかりやすくお知らせできるよう、ホームページをリニューアルいたしました。
この「木もれび通信」はブログの小窓として、写真と事務局の所感などを交えてお送りしてまいります。訪れていただきました皆様の再度の閲覧をお願い申し上げます。