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ヤギといえば、近所で飼っていたとか、ちょっとクセのある山羊乳を飲んだという年輩の方々も多いが、今は近隣でも見ることが少なくなった。
昔、童謡の「やぎさんゆうびん」をみんなで歌いながら「ちり紙」を食べさせたことがある。白ヤギと黒ヤギがお互いの手紙を食べてしまうことが無限に続く歌なので、いつ止めればいいんだろうと思ったりした(笑)。もっと古くには、「めえめえ児山羊(こやぎ)」という童謡があり、安曇野市豊科(旧豊科町)出身のドイツ文学者で童謡作家の藤森秀夫さんという方が、大正10年に作って児童文学雑誌『童謡』に発表したものだという。同市豊科の文化ゾーン「武蔵野の小径(こみち)」の一角に童謡碑もあるとのこと。
最近では「あらしのよるに」のようなヤギが主人公の話もあるし、グリム童話「おおかみと七匹の小ヤギ」は有名だよね。弱いけれどけっこう強い感じのヤギ。でもヤギの眼はちょっと変な感じ。(土屋)
標高の高い地域や寒冷地では、すでにゴールデンウィーク中に田植えが終わっているところも多い。棚田や小さな田んぼ以外はほとんど機械植えとなったので、苗代も田植え機に合わせた作り方をされている。
写真の白いネットの中には、3~4センチに伸びた苗が見えていた。この時期の苗づくりが後々の稲に影響を与えるそうで、遅い霜や土砂降りの雨、ウンカなどの害虫も大変心配なのだとか。
調べてみると、戦前に画期的な方法を開発したのが、長野県軽井沢町の荻原豊次さんという方で、何年も試行錯誤を繰り返し「保温折衷苗代」という革命的育苗法を開発したのだという。数年前にはやったプロジェクトXのような話だが、この方法が改良されて全国に広まり、日本の稲作の重心が北日本に大きく移動したといっても過言ではないとのこと。
素晴らしい先人がいて、長野県人として誇らしい気分になった。(土屋)
子どものころから葱坊主と言う呼び方は知っていたが、古い橋の欄干にところどころ付いている擬宝珠(ぎぼうし)に似ていることからネギの擬宝とも言われるらしい。
ネギはユリ科ネギ属の多年草で、現在では一年中生産栽培されていて、冬の常備野菜としても鍋の一番の脇役でもある。食べ方にも違いがあり、根元に土寄せをして白色部分を長くした根深(ねぶか)を食する地域や、緑色の部分を中心に食する地域などがあると聞く。
また、松本には「松本一本ネギ」という、根元は大きく曲がっているけれど独特の風味と甘さを持つ江戸時代からの品種があり、JA松本市女性部や松本大学などを中心に伝統野菜としての復権の取り組みが行われている。
ネギにも花言葉があると聞いて驚いた。「愛嬌者(あいきょうもの)」とのこと。さもという感じである。(土屋)
杉菜(スギナ)は姿が杉の葉に似ていることから、ツクシは形が筆に似ていることから土筆と書くようになったとのこと。
土筆が生えた後に、緑鮮やかなスギナがブワーッと密生すると壮観だが、採っても採っても生えてくる雑草でやっかいな代物だとも聞いた。地下茎を切ると、そこからまた生え出すのだそうだ。
春の味覚の山菜として、土筆を卵とじなどで食べた経験を持つ人も多いと思う。懐かしい味を思い出す。(土屋)