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実を真ん中から切ると、鮮やかな緑の断面に黒い種が放射状に並んで美しい。日本でも作りやすい果物として植える人が多くなり、ホームセンターなどでも苗を売っている。中国が原産だと聞いた。でも、日本で販売されている多くはニュージーランド産とのこと。名前もニュージーランドの国鳥であるキウィに姿が似ているところから付けられたとは良く聞く話だ。
ビタミンCが豊富で、消化を助ける成分もあるとか。これから年末年始はお腹の負担の大きくなる時期、甘みと酸味を楽しみながら体調維持のためにも食べたいと思う。ちなみにキウィはマタタビ科で、根元や枝に寄ってきたり、中には陶酔してゴロゴロする猫もいるとのこと。(土屋)
びっくりしたのは、落葉するのに針葉樹だということだ。晴れた日のいちょう並木は、陽の光に映えた黄色が拡散して美しい。扇が舞って落ち葉のじゅうたんとなる雰囲気も中々だと思う。
いちょうから落ちた実は匂いがとっても臭くて、踏んでしまって閉口したことがある。種の中身は茶碗蒸しなどにも定番で入るが、少しエグ味があるのでよけて食べる人も多いんじゃないかな。
長野県生坂村には、県の天然記念物に指定された「乳房イチョウ」がある。樹齢800年で高さが35mとのこと。名前の由来は、幹や枝から瘤が垂れ下がる様からで、出産後の女性の祈願する姿もあるという。なお、「乳房イチョウ」は全国にあり、松本市の千手のイチョウも「乳房イチョウ」と呼ばれていたとのことだ。(土屋)
車のフロントウインドーに降りていたので、近所の畑などを見てまわると、土や作物、落ち葉などにキラキラ輝いて結晶している。
霜は、風の無い寒くて晴れた日の朝に降りるという。朝日が差し込んでしばらくすると、ガラス細工で装飾されていたような花や葉の霜が消えていった。
今はあまり霜焼けのできる子どもは居ないのかもしれないが、昔は手足の指などに霜焼けやあかぎれができている子どもがたくさんいた。霜月、早霜、晩霜、幾星霜など、霜という字を使う様々な言葉は、とても豊かで季節を感じさせる。(土屋)
うどんやそばの付け汁に昔から使われているそうで美味しい。
長野県の坂城町周辺では、小さめのかわいらしい辛味大根が栽培されていて、「ねずみ大根」「中之条大根」と呼ばれている。ねずみ大根のおしぼりに信州味噌を溶かした付け汁へ、釜揚げのうどんを入れて食すと、ツンとした香りと辛味が口いっぱいに広がる。大人の味だね。
10月からが収穫期だが、特に採れたばかりの大根は辛味が強いと、お店の人に教わった。
江戸時代から坂城町周辺で地元の人たちが細々と栽培してきた伝統野菜の大根。名前の由来は、坂城町「ねずみ地区」の地名からなのか、写真のようになんとなく「ネズミ」に似た形状からなのか、なんだかおもしろい。(土屋)
厳寒期の農家の人々に工芸品を作って副収入を得ると同時に、文化と思想を高めてもらおうとした農民美術運動は、1919(大正8)年に版画家・洋画家の山本 鼎(やまもとかなえ)が長野県上田市ではじめたという。
先人が88年も前に、わが身の困窮にも負けずに育てた運動を知って、その精神力やエネルギーに驚く。
制作題材も木っ端(こっぱ)人形から室内装飾品・実用品へと変わり、昭和57年には長野県の伝統的工芸品に指定されたとのこと。上田市では、玄関や客間に「上田獅子」の飾り額や飾り皿が飾られることも多く、信州の風物や風景が木肌を生かした素朴なあたたかさで彫刻されている。
この写真はホテルサンルート上田のロビーに掛けられているもの。題材の上田獅子は、郷土芸能としてかなり古くから伝わっているとのことで、真田昌幸が上田城を築いた時(1583年)にも奉納されたといわれ、明治時代以後も特別な行事には踊られているという。連綿と続く歴史の踊りを生で見たい。(土屋)