「マネーの正解」~実践編、最初の一歩を知る~
長野県消費者団体連絡協議会は10月7日(木)に、お金の知識を身につける学習会「マネーの正解」~実践編、最初の一歩を知る~をオンライン企画として開催し、長野県内外から15名の参加がありました。講師に長野県労働金庫の営業統括部次長の原田亮氏をお迎えして、前回の第1回目の学習会の続編として、「実践編、最初の一歩を知る」と題してご講演いただきました。前回の「マネーの正解」学習会では講師の方からは、証券会社や金融機関の窓口や、営業の担当者には相談しない方が良いというアドバイスでしたが、今回は働く人の夢と共感を創造する協同組織の福祉金融機関である「労働金庫」の原田様に講師をお願いして、お話を伺うこととしました。
「資産運用」ってどんなイメージがありますか?それは、「幸せになるために!」考えることの一つです。30年前は定期預金の金利が6%で定期預金の貯金は11年間で約2倍になる時代でしたが、現在は定期預金の金利は0.002%の時代で、100万円の利息は1年で20円の時代です。時代が大きく変化しているが、投資についての教育を一切受けていない今の時代の人には、資産運用についてマイナスのイメージが多いのが現実です。しかし、iDeCoの加入者は3年間で2.3倍、つみたてNISAの口座数は4年で7倍に増加している時代ですから、実は世間では投資がどんどん身近なものになってきているのです。
初めての投資を考える時のキーワードとして、【積立・長期・分散投資】を紹介いただきました。「積立」とは毎月積み立てながら投資をしていく方法で、価格の変動に強いと言える。毎月定額を積み立てるということは、価格が下落した時には多く購入できるし、価格が高い時には下落した時に購入したものが大きな利益を生み出すことになる。また、過去20年の価格の変動を見た時、毎月一定額を積み立ててきた場合には、日経平均株価の変動での運用をしたと考えると、ほぼ2倍になっていることになります。投資を考える時には、「長期」の積立投資を基本に考えるのが良いとのお話です。初めての投資を考える時には、まず余裕資金での投資でなければ「長期投資」ができないので、最低でも生活費6か月分の余裕をもって始めること。いつ始めればよいかというと、早ければ早いほど良いということ、初めての投資の時には「投資信託」が向いているということでした。「投資信託」は簡単に言うと「福袋」であり、その運用はプロが行っているので、比較的安心できるという特徴があります。
次に、投資先の検討では、国内と海外のバランスなども検討し、「インデックスファンド」、「世界への投資」、「株式」を運用の一部に組み入れることを検討してみてはどうかとのことでした。過去20年間の実績で考えると、定期預金では年平均金利0.1%、国内の株や債券では年平均金利1.9%、国内及び先進国や新興国の株や債券に各1/6ずつの投資では年平均金利4.0%となります。そういう意味でも、分散しての投資を考えることを基本とすると良いとのお話でした。
「投資」とは自己資産を社会に役立てる活動であり、新しい価値を生み出すための力でもあります。労働により得たお金も、投資で得たお金も価値は同じであり、幸せな人生のための投資を考えてみませんか?初心者の方ならまず、つみたて投資の「つみたてNISA」から始めるのがベスト、購入手数料も0.3~0.4%未満で安心して始められます。「労働金庫」でなら安心して説明を聞くことができます。もちろんネット証券などもご自分で決められる方には向いていますとのことでした。とても具体的で分かりやすく、初めて資産運用を考える初心者が、安心して自分の幸せのための一歩を考えるきっかけになりました。
2021年9月30日(木)13時00分からオンラインにて、BDHQ学習会『「食べるをはかる」はすべての始まり』を開催し、コープながの、長野医療生協、生活クラブ生協、住宅生協が参加し、講師と県生協連事務局長を含めて、25名が参加しました。県生協連の会員活動担当者交流会議にて話題となり、組合員の健康づくりの一つであるBDHQ(簡易型自記式食事歴法質問票)について、体験及び学習を行い、今後の各生協での活動に活かしていく事を目的に開催されました。
講師には東京大学にて佐々木敏教授の研究室でBDHQの開発に関わってこられた児林聡美先生をお願いして、約90分の講演をしていただきました。学習会では1.栄養学を取り巻く状況を知る、2.食事アセスメントを知る、3.食事改善に使えるツールを知る、の三つのステップで進められました。
元に栄養学を取り巻く現状として、「食塩」と「低糖質」と「食事指導」についてお話されました。そもそも日本では食塩摂取量の測定方法に甘さがあり、蓄尿検査での食塩摂取量では昔から13g/日とのデータがあり、基準値の大幅超過状況がずっと続いているため、非常に危険な状況であるとのことです。イギリスでの食パンの減塩政策で、心筋梗塞も脳卒中も減少している事例の紹介もありました。低糖質の評価も実施するその人の状況によりプラスに作用する面とマイナスに作用する面があり、一概に良いとは評価できない。そして、食事指導は一般論としての指導が多く、一人ひとりの生活に根差した指摘にならないため、自分にとってのあとどのくらい頑張れば良いかが分からない。
食事アセスメント方法の現状ではいろいろな食事調査法があるが、誤差と費用と労力から見ると食事歴訪調査票(BDHQ)が最も妥当な方法との説明があり、納得できる話だった。質問票法は記録法に比べると精度が劣るが、長期間の食習慣が分かり、対象者の負担も少なく低コストで大勢の人数を対象にできる点で優れています。
個々の参加者が事前の体験し実施した結果診断票を元に、解説と説明をお聞きしました。何人かのグループで実施する場合には、個々の参加者の結果を確認しながら、周囲の人との違いを感じてもらうと同時に、自分が「赤色」の項目が「青色」だった人に、その人の食事の工夫やこだわりを聞いて交流することで、自分自身の食事改善のヒントが得られる場合があると教えてもらいました。BDHQを知ること、この方法のメリットとデメリットを正しく理解し、多くの人と一緒に実施していくことで、自分自身の食生活の見直しにつながる取り組みを広げていきましょうとお話を締めくくられました。
質疑応答の時間には、カルシウム不足を気にしすぎるため、牛乳の飲みすぎと診断されてしまう時に対処方法や、長野県民は「塩分摂取は多いか多くないか?」などの質問も出され、交流を行いました。また県外生協の活動事例もご紹介いただき、今後県内の生協が取り組む時の参考になるお話を沢山お聞きすることができ、有意義な学習会となりました。
この学習会は講師の児林先生の許可をいただき、後日YouTube視聴をすることができますので、各参加者にもご案内することとしました。
【YouTube視聴用URLは以下よりどうぞ】https://youtu.be/DFF2JlYqrso (右記のQRコードからご視聴いただけ
2021年9月24日(金)にオンラインにて、長野県地域生協と大学生協との学生総合共済意見交換会を開催しました。この企画は、大学生協共済連とコープ共済連との学生総合共済の協同引受による募集開始が本年9月に始まったことを受けて、加入の取り組みの主体となる大学生協と地域生協との協力関係の強化を目的に開催されました。この意見交換会は日本コープ共済生活協同組合連合会と全国大学生協共済生活協同組合連合会と長野県生活協同組合連合会の三者による主催で開催されました。当日は県内6大学生協、2地域生協、大学生協共済連、大学生協連、コープ共済連、県生協連から24名の参加がありました。
大学生協共済連の大本専務補佐の司会進行で進められ、全員の自己紹介の後、コープ共済連より、今までのコープ共済の若年層の保障体系の変化や今回の協同引受により、ジュニアコースから切れ間なく無告知で学生総合共済、新社会人コースにつながる流れをご説明いただきました。もうすでに8月からはコープ共済連から学生総合共済の案内が年次通知として発送され、また9月からは18歳DMも送付されています。今後はテレビCMやWEB広告も実施される予定で、地域生協からと大学生協からの取り組みの連携や協同が必要になる状況であることの説明がありました。今後の学生総合共済では加入時に、満期後の新社会人コースへの移行の事前申し込みも可能になります。
続いて、大学生協共済連からは高校卒業生の進学状況、大学卒業生の就職状況、今後大学生協がない大学への進学者も含めた学生総合共済の加入促進も含めて活動が広がること、また大学卒業予定者に向けての大学生協の様々な情報提供や提案活動の中での共済満期後の案内の連携も可能になるとの説明があり、岩手大学での活動事例の紹介がありました。注意すべき点としては、卒業生向けに新社会人コースの案内をする場合、募集人でないと加入受付ができないことと、加入に際しては卒業後に共催の取り扱いのどこかの生協に加入することが必要になる点です。そういう面での今後の地域生協と大学生協の協力・協働が求められます。
多くの学生が奨学金の返済という「借金」を背負って社会人になるときに、より掛金の安い保障を手に入れられるように情報提供をする必要性や無保険での社会人スタートをさせない取り組みも重要であるとのお話もありました。また、新社会人になる前に、「就職前に知ってほしい!~身近なお金について~などの、地域生協の組合員LPA(ライフプランアドバイザー)により学習活動などの紹介もありました。1.もらえるだけではない!
給与明細を見てみよう、2.賢く使う!クレジットカードについて、3.自分の身は自分で守る!必要な保障とは、など具体的な学習資料の紹介もあり、参加者からは、「自分が学生の時に、こういう話を聞きたかった」との声もありました。
コープながのからは地域生協でのコープ共済の推進に関する活動紹介やコープながののLPAの活動の紹介があり、大学生協へのLPAのセミナーの提案も行われました。信州大学からも学生総合共済の活動について新学期の加入受付化日常的な病気やけが予防の取り組みなど様々な活動の紹介がありました。
あっという間の2時間の意見交換会でしたが、それぞれの生協が取り組んでいる活動をお互いに初めて聞く貴重な機会となりました。今回の会をきっかけに、大学生協と地域生協の協力関係が強くなり、学生総合共済の加入時や在学中・満期時(卒業時)の推進の取り組みにいける連携強化が進み、組合員(学生と親)のくらしへの貢献度を向上させていくことが確認されました。
最後に、県生協連の大田会長理事が閉会挨拶があり、意見交換会が終了しました。
長野県協同組合連絡会主催の「信州まるごと健康チャレンジ2021」の今年度の取り組みとして、メールマガジン「信州健康チャレンジ俱楽部」を発行しております。今回は初の試みとして、信州健康チャレンジ倶楽部に登録している人同士の交流会機会として、オンライン交流会を開催し、事務局を含めて8人が参加しました。
事務局が進行をして、開催趣旨の説明の後、それぞれの参加者から自己紹介と参加した気持ちを順番に話してもらいました。オンライン(ズーム)の交流会は初めてで緊張するとの声もありましたが、みなさん「楽しくおしゃべりしたい」とのことでした。中には地域での健康づくりのリーダーをしている方もいらっしゃって、楽しい交流会になる期待も膨らみました。
松本大学の田邉ゼミからつーくんとたかちゃんが参加し、富士見町での子どもたち対象の運動教室の活動などを紹介いただきました。また田邉ゼミの方からは、「地域での健康づくりの活動ってどんなことをしているのですか?」との質問も出され、医療生協が地域で行っている健康班会の説明をしていただきました。ハンカイ?って何ですか?どんな字を書くの?から始まり、医療生協の組合員さんが3人以上あつまって健康チェックやウォーキング、バランスボール、BBC、おしっこ検査、塩分チェックなどの活動を年間1500回以上開催しているんですよと聞いて、驚いていました。蓑輪町と一緒に進めている100歳体操は町内21カ所での継続開催が行われており、そのうち4カ所を医療生協が運営しているとのこと、また最近の班会では、スクエアステップが人気で、とても楽しいなどいろいろ教えてもらいました。
地域での健康づくりに関わっている参加者からは、地域での健康づくりの企画の場に松本大学の学生さんに来てもらうことはできるの?との質問が出され、田邉先生に話してもらえると大丈夫だと思いますよとのことでした。松本大学では地域貢献活動に積極的に取り組まれていて、普段から地域活動への参加もされているそうです。
また各参加者から、普段どんな健康づくりの活動をしていますか?との質問に対しては、ウォーキングはしていないけど、肉体労働で運動しているとか、毎朝グリーンスムージーを飲んでいて、海藻ときのこを毎日必ず食べる食生活を心掛けているとか、毎日夕食後に家族でジムに通っているなど、日ごろ取り組んでいる活動を交流しました。毎日20分~30分の筋トレを週に3回程度している参加者からは、自分の行っている運動の時間や頻度について、これで良いのかと田邉ゼミの学生さんに質問する場面もあり、時間と頻度はバッチリです、とのお答えに安心していました。
オンラインの交流会は60分間の企画でしたが、みなさんの楽しいおしゃべりであっという間に時間が過ぎていきました。最後に、それぞれの参加者の感想や第2回目の企画をどうするか?などについてお聞きしました。
参加者が全員「ニックネーム」の名前表記にして、お互いにニックネームで呼び合うのは、堅苦しくなくてよかった、最初は緊張したけど、進行の人の進め方にリラックスでき楽しかったなどの声が出されました。また学生さんなど若い方とのおしゃべりはとても刺激になるとか、あまり多人数でなくて話しやすかったとの感想も出されました。次回以降については、是非実施して欲しいとの声もあり、一旦事務局で検討することとなりました。次回企画を実施するなら、今回のように少人数の方が話しやすいねとか、人数が多かったらグループに分けると良いねとか、話すテーマを例えば、「健康づくり継続の秘訣の公開」とか、「一番しんどい時ってどんな時?」などと決めておいてみんなで話すと楽しいかもなどの意見も出されました。
日頃健康づくりに取り組む人の多くは、個々人での活動にどうしてもなりがちですが、今回の交流会の中でも人と人とのつながりや一緒にがんばる仲間の存在がとても重要だねとの声も聴かれましたので、2回目の企画実施も含めて参加者が交流できる場や方法を事務局も考えていきたいと感じました。参加者のみなさんのおかげでとても楽しいオンライン交流会となりました。
長野県生協連介護福祉部会は、新型コロナ感染拡大の影響で集合しての学習交流の機会がない中で、オンラインでの学習交流会で互いに学び合い事業に役立つ情報交流をしたいとの声があがり、2021年9月15日(水)9時30分~11時に、「看護小規模多機能居宅介護・小規模多機能居宅介護についてのオンライン学習交流会」を開催しました。当日は5生協と事務局を含めて13名の参加がありました。
冒頭、豊田孝明介護福祉部会長より挨拶があり、講師の上伊那医療生協の藤田将仁介護事業部長から「小規模多機能居宅介護と看護小規模多機能居宅介護について」と題して60分間の講演をしていただきました。
上伊那医療生協の沿革の中で、2012年生協ケアセンター春近なないろの家開設から、法人全体として地域密着による地域包括ケアにシフトチェンジしてきた経過を話されました。上伊那生協病院を中心にしながら、地域の31カ所に介護事業所を開設運営し、地域に戻った人をどう支えていくのか、「人をど真ん中」に点から線へ、線から面へつないでいくサービスでなくては地域を支えることはできないとの方針で在宅強化を進めて来たと。
小規模多機能居宅介護施設とは、小規模(登録29名)・多機能(通所・訪問・宿泊)・居宅介護(ケアマネージャー)がひとつの事業所に集約され、24時間365日利用者を地域で支えるとの説明でした。単独の施設運営よりも、小多機・看多機では、地域との関りが大切で、常に地域に情報を公開し、地域にどう役立っているかを発信し、地域のステークホルダーの方々にも理解してもらわないといけない。管理者にはその視点と姿勢が必要だと話されました。
施設開設に必要な準備としては、地域分析・人材育成と確保計画・事業計画づくりが大切で、それぞれをきちんと同時並行で進めていく必要があり、それぞれの準備過程のポイント、情報、苦労など具体的にお話いただきました。
施設開設後に重要になるのが、利用者確保だが、単に利用者を集めるという視点ではなく、どういう方が小多機・看多機に向いているかを考えた利用者確保が大切だということです。報酬(利用料)も日割りではなく、月額になるので、利用頻度の低い方にとっては「割高感」が拭えないのだと。
また、人員体制と収支バランスについても具体的にどこが大変で、どのような状況であるかも説明いただきました。新規施設の建設から始めるとどうしても開設当初は減価償却が経営の負担にはなるが、現存施設の転用であれば、開設当初からの黒字化は可能であり、単独の施設管理よりも報酬が高い分、利用者を確保すれば収支は安定するとのお話でした。人員確保も人数を集めればよいということでもなく、どういう資質が必要か、どういう視点が必要か分かりやすく説明いただきました。
全体の講演の後、それぞれの参加者からは質問と感想が出され、一つ一つの質問には、藤田部長から丁寧に回答し、説明をいただきました。
上伊那医療生協が法人としての方針を確立して、継続して進めて来た事業戦略の中で、現在の施設開設と運営があるということ、また地域の行政とのコミュニケーションも継続して進めてくる中で育てて来た行政との信頼関係もある中での現在の事業でもあると理解ができました。
講師をお勤めいただいた上伊那医療生協の藤田将仁介護部長には丁寧なわかりやすい資料もご準備いただいたおかげで、充実した実りの多い学習交流会となりました。
尚、介護福祉部会では第2回の小多機・看多機学習交流会を12月に開催する予定です。第2回は管理者・スタッフ向けの運営ややりがいなどに商店を当てた内容となる予定です。