「テロ等組織犯罪準備罪」いわゆる共謀罪の制定について国会での徹底した審議と慎重な対応を求めます
衆議院議長 大島理森 殿
参議院議長 伊達忠一 殿
内閣総理大臣 安部晋三 殿
長野県生活協同組合連合会
会長理事 上田 均
4月6日から衆議院本会議で審議が開始された「テロ等組織犯罪準備罪」いわゆる共謀罪についてはこの間日本ペンクラブや弁護士会、地方議会からも廃案又は慎重な審議を求める意見書が提出されています。「テロ等組織犯罪準備罪」はこれらの意見書でも指摘されている通り、日本国憲法が定める「基本的人権」と「近代刑事法の原則」からみて重大な疑義のある内容となっているものと考えます。
「テロ等組織犯罪準備罪」では重大な犯罪を2名以上で計画し、実行のための準備行為が行われた時点で犯罪が成立するとされており、行為の結果・既遂を処罰するとの「近代刑事法の原則を大きく変える事になります。また、重要な犯罪要件である「準備行為」が捜査機関によって拡大解釈される恐れや、「準備行為」を摘発するために捜査機関が国民生活を監視する恐れなど憲法の「基本的人権」に反するとの疑問もでています。
「テロ等組織犯罪準備罪」は事前の相談(=共謀)すると見なされただけで処罰の対象となるなど、過去3回国会に上程され都度廃案となった「共謀罪」と本質は変わるものではありません。またオリンピック開催の為などとの説明も、日弁連などが「日本でも重大な罪を中心に既に予備罪、準備罪があり新たに「共謀罪」を設ける必要はない、と見解を述べており、「まやかし」ではないかとの疑問がぬぐえません。
生協は「平和とより良い暮らし」を組合員とともに訴求する組織です。その為には自由で公平な社会であることが必要です。
「テロ等組織犯罪準備罪」が憲法の大原則である「基本的人権」や「近代刑事法」に対する重大な疑義を持つ中で国民理解も得られぬまま、国会でも十分審議を尽くすことなく制定される事はあってはならないことと考えます。
国会での徹底した審議と慎重な対応を求めます。
長野県生協連は消費者庁が募集した平成29年度「消費者基本計画工程表」改定素案に対し、以下の意見を提出しました。
1.食品の安全性に関するリスクコミュニケーションについて
1)この活動は粘り強く継続していく必要があると考えています。行政だけでなく、生協としても積極的に取り組んでいきたいと考えていますので関係する省庁で、以下の点についてもご検討ください。
・学習会や講演会の年間予定の発信や開催連絡の早めの案内
・地方開催が可能なコミュニケーション機会の増加
・地方開催可能なテーマ別の講師リストや学習会メニューの提示
2)マスコミに対しては「0リスクは無い事」、「リスクはハザードと量で決まること」等、食の安全の基本を繰り返し伝え続けてください。
2.中小食品製造事業者のHACCP導入促進
1)KPIの導入率目標は前倒し、又は引き上げが必要ではないかと考えます。
2)中小事業者向けで推進支援が加筆されました。積極的な支援を期待します。
3)HACCPについて理解を進める消費者向け広報ツールの作成もご検討ください。
3.新たな食品表示制度の円滑な施行等
1)加工食品の原料原産地表示については29年3月の改定案に対して生協をはじめ多くの消費者団体から「消費者の商品選択に適さない」旨意見表明がされています。このまま進める事には反対です。
2)「消費者が食品表示を活用する上でのサポートとなる者への普及啓発も考慮する」との記述はもっと具体的な記述とする必要があるのではないでしょうか。
4.消費者教育に使用される教材等の整備
1)成人年齢引き下げが議論されている中で高校生向けの教材作成は喫緊の課題です。文科省だけでなく厚労省課題も含め、できるだけ総合的な教材としていただく事を希望します。
5.学校における消費者教育の推進
1)小中学校での消費者教育充実に期待します。
以上
意見書平成27年8月21日平成27年8月21日
長野県生協連は8月21日に上田均会長理事の名前で安倍首相に対し安保関連法案の廃案を求める意見書を提出しました。
長野県生協連は、7月8日に上田均会長理事名で、安倍晋三内閣総理大臣に「集団的自衛権の行使容認の閣議決定に強く抗議し、撤回を求める」意見書を送りました。
長野県生協連は、5月9日に上田均会長理事名で、安倍晋三内閣総理大臣に「憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認に反対する」意見書を送りました。