講師のJFAフェロー 鈴木まり子氏
研修会場の様子
グループワークの様子
7月15日(火)13時00分より、長野市生涯学習センター大学習室2(長野市)にて、県生協連主催の講座「ワクワクする話し合いの場をつくる」ファシリテーション講座(応用編)がハイブリッド形式で開催されました。
本講座では、日本ファシリテーション協会フェローの鈴木まり子さんを講師にお迎えし、5月に実施した基礎編の応用編として開催しました。会場には35名、オンラインには72名の方にご参加いただき、講師と運営スタッフを含め総勢113名での開催となりました。ご参加いただいた皆様は、生協、社協、長寿、NPO、労協、県労連、労働金庫、自治体、シニア大学など、様々な地域の活動に携わっていらっしゃる方々でした。
今回の講座では、まず、前回5月の基礎編を受講されなかった参加者のために、基礎編のポイントである「ファシリテーション」について説明がありました。ファシリテーションとは、話し合いの場を有意義に進めるためのスキルと心づかいであり、主役である「参加者」の話し合い、やる気、多様なつながりを促進するものであると説明がありました。さらに、ファシリテーションの効果としては、参加者の「当事者意識」が高まることが挙げられました。これは、リアルでもオンラインのどちらの場でも同様であり、話し合いの場の目的を明確にし、終了時にどのような状態を目指すかを事前にイメージし、ゴールを設定しておくことが重要であるとのことでした。
続いて応用編が始まり、「ファシリテーションのスキルを深め、自分の現場でやってみる具体的なイメージができている」ことをゴールとして設定しました。最初のワークでは4名ずつのグループを作り、5月の基礎編実施後、「実際にやってみてどうだったか?」について参加者間で交流が行われました。「基礎編で学んだことを実践しようとしても、なかなか思い通りにいかなかった」等といった失敗事例や好事例などが共有されました。後半では、「ファシリテーションを現場で活用しよう」というテーマで、実際にファシリテーションを実践しながらのグループワークを45分行いました。このワークでは、5名ずつのグループに分かれ、各グループでファシリテーターを1名決め、話し合いを進めました。話し合いの内容は、まず各自が「現場でやってみたいファシリテーション」について考え、次にその内容をグループ内で共有しました。最後に、共有されたアイデアの中から「現場でやってみたいファシリテーション」を具体化し、実践すべくファシリテーションを決定しました。続いて、5名のグループから3名のグループに編成し直して、「現場でやってみたいファシリテーション」について共有を行いました。参加者の一人ひとりがファシリテーターとして意識をされたのか、どのグループも積極的な共有と意見交流がされました。
更に本日の講座を振り返り、全体からの質問に対して、講師のまり子さんより一つひとつ丁寧に回答いただきました。「ついついしゃべりすぎてしまう私はファシリテーション役には向かないのでは?」という質問に対しては、「向かないとは言いませんが、自分の述べる時間が多くなればなるほど、周囲の人が意見を述べる時間は少なくなることは意識したほうが良い」とのご回答がありました。その他に、「批判的な意見を述べる人への対処法はありますか」という質問に対しては、「批判的な意見もなければ、反対な意見もない。これはあくまでもファシリテーターの主観であり、意見はどんな内容でも意見として受け止めることが重要です」と説明がされました。
最後に、講座の要点として「相手を信頼し尊重すること」「主観的視点ではないか自分に問いかけること」「対立構造を作らないこと」「介入の仕方」などが挙げられました。講義と実践、質問と回答がバランス良く組み合わされた双方向の講座は、参加者の皆様から大変好評で、本講座においても有意義な時間となりました。