長野県内の生協のさまざまな活動・事業を紹介します。

活動報告

上期研修会「被爆・終戦80年に平和について考える研修会

  • 2025/07/14

研修会場の様子

7月3日(木)に長野県生協連主催で、上期研修会「被爆・終戦80年に平和について考える研修会」を開催しました。本研修会には、6生協、他団体、事務局を含め42名の方にご参加いただきました。

今年は被爆・終戦から80年という節目の年であり、昨年は日本被団協がノーベル平和賞を受賞し、核兵器禁止条約の加盟国も増加しています。一方で世界は紛争や戦争が絶えず、核兵器の脅威がますます身近なものとなっています。このような国際情勢の中、平和活動について学び、交流する機会として本研修会を企画いたしました。研修会では、長野県内での活動に焦点を当て、市民の立場から事実を学び、私たちにできることを考える貴重な機会となりました。

研修会では、5名の講師をお招きし、ご講演いただきました。

* 被爆者の願いをつなぐプロジェクト:高教組 原 将俊氏

* 核兵器禁止条約を広げる長野ネット 世話人:前座 明司氏(長友会副会長)

* 被爆体験を聴く会(長野市) 代表:土田 昇氏

* NPO法人松代大本営平和祈念館 理事長:花岡 邦明氏

* 長野県平和行進実行委員会 事務局長:丸山 稔氏

研修会は、長野県生協連の太田会長による主催者挨拶で幕を開け、高教組の原将俊氏による「被爆者の願いをつなぐプロジェクト」と題した講演へと続きました。原氏からは、被爆者の皆様のメッセージを多角的に記録し、国内外に発信することで平和の尊さを伝える活動に尽力されていること、また、学校や地域社会で平和学習や核兵器に関する学習会を実施されていることについてお話しいただきました。

原 将俊氏

次に、前座明司氏より、核兵器のない平和な世界を目指し、核兵器禁止条約への日本の参加を求める市民団体、労働組合、医療関係者、教育関係者などが連携して活動している「核兵器禁止条約を広げる長野ネット」の取り組みについてご紹介がありました。土田昇氏からは、「被爆体験を聴く会」の具体的な活動内容として、世界で唯一原爆を経験した広島と長崎の悲惨な状況を学び、責任ある日本人として被爆の記憶を次世代に継承していく重要性についてお話しいただきました。

前座明司氏
土田 昇氏

花岡邦明氏からは、松代大本営平和祈念館建設募金への感謝の言葉とともに、松代大本営の概要、内部、関連施設の詳細について説明がありました。「平和憲法改憲、大軍拡を許さない」という強いメッセージとともに、平和を維持するためには歴史を正しく学び、それを活かす活動に取り組むことの重要性を訴えられました。最後に、丸山稔氏からは、「被爆者とともに進める運動」や「何よりも署名活動が原点」といった日本の草の根の原水爆禁止運動の特徴に触れ、これらの草の根運動が今や世界にも広がりつつあること、そして私たち一人ひとりが、できることから、関心のあることからこの運動に参加しようという力強いメッセージで締めくくられました。

花岡邦明氏
丸山 稔氏

講演後には、参加者同士のグループ交流を行いました。交流会では、講演の感想だけでなく、平和の取り組みとして私たちにできることをテーマに活発な話し合いが持たれました。「平和に対する意識が高まった」「もっともっと平和について勉強したい」「次世代に向け、戦争の怖さを伝えていきたい」といった意見が出され、特に「私たち一人だけでは戦争を今すぐ止めることはできませんが、多くの仲間と連携すれば必ず止めることができる!」という意見は、まさに被爆・終戦80年に平和について深く考える良い機会となりました。