活動報告
能登半島地震被災地視察と現地サロン活動第3回本企画報告!
被災地支援団体NPO法人RSY浦野愛常務理事
長野県庁生協 西原専務理事
上伊那医療生協による健康チェック
長野県生協連では、2025年度の活動方針である能登半島地震被災地の復旧支援のため、「能登半島地震被災地視察と現地サロン活動」の第3回本企画を実施しました。今回は、県庁生協、長野労働金庫、コープながの、生活クラブ生協長野、上伊那医療生協、県生協連から役職員の計12名が参加しました。初日は、被災地支援団体NPO法人レスキューストックヤード(RSY)の浦野愛常務理事による講演・交流会を開催しました。講演では「令和6年能登半島地震 被災者支援」をテーマに講演いただきました。冒頭、長年にわたる浦野愛常務理事の被災者支援の実績の講義を受け、計り知れない価値があるものと感じました。特に以下の点にそれをまとめさせていただきます。
- 被災者の回復力と生活基盤の重視:衣食住の確保と人との関わりを重視する活動は、被災された方々の精神的安定と社会的回復に不可欠だと強く感じました。孤立を防ぐ視点は、災害関連死を防ぐ上で極めて重要だと再認識しました。
- 地域連携の重要性: 地域活動家や行政との連携、そして公共サービスから漏れる人々を地域で支える体制づくりへの支援は、持続可能で実効性のある災害支援のモデルを示していると感じます。「RSY」が穴水町で実践された社会福祉協議会との協働は、その成功事例として特筆すべきものだと拝察しました。
- 災害関連死への深い洞察:阪神淡路大震災以来の課題である災害関連死について、後期高齢者の疾患との関連性や申請の煩雑さによる実態把握の困難さなど、詳細な分析と課題提起は非常に貴重です。人との関わりや事前の準備によって防げる可能性があるという指摘は、今後の防災・減災対策において「人と人とのつながり」を重視する視点を取り入れるべきだと再認識させられました。
- 能登半島地震における迅速な対応と現状:穴水町との長年の信頼関係が、今回の地震における迅速な初動につながった経緯、そして町の高齢化率や人口減少、避難生活の現状、公費解体の進捗状況など、具体的な情報に触れ、現地の深刻な状況と、それに対する「RSY」の献身的な支援活動が強く伝わってきました。
浦野愛常務の「早期に手を打つべき人々を把握している」という長年の経験に基づく言葉は、現場の知見の重要性を物語っています。災害発生後、住環境の変化によって人との関わりが途絶え、健康を害するケースが多いという実態は、地域コミュニティ全体の再構築がいかに重要であるかを改めて浮き彫りにしていました。「RSY」の活動が、今後も多くの被災者の希望となり、より良い社会の実現に貢献されることと実感しました。
第2日目のサロン会場には、11名の方にご来場いただき、盛況のうちに終えることができました。冒頭、長野県庁生協の西原誠一専務理事よりご挨拶をいただき、前日に打った信州そばを皆様に振る舞いました。
- 「本物の信州そばのおいしさを堪能してほしい」という思いから、連携プレーで迅速に提供できるよう努めました。会場では、参加者が被災者の方々の間に座り、積極的にお声がけするなど、活発な交流が見られました。最後の企画「みんなで歌おう」では、大きな歌声が響き渡り、被災者の方々からは、「お話ができて嬉しい」「遠いところから来てくれてありがとう」「楽しい時間をありがとう」といった温かいお言葉をいただきました。参加した役職員からは、「災害派遣の報道は一部に過ぎず、関連死の被害を減らしたいという強い思いが伝わってきました。刻々と変化する被災者のニーズに対し、フェーズごとに自治体や国と連携し、一人ひとりに向き合って対応することが、精神的・肉体的な支えになっていると実感しました。特に、行政には限界がある一方で、民間にはそれがなく、困っている人を助けたい一心で活動されているというお話が印象的でした。この話で、私の知識が深まりました。」という感想が寄せられました。また、「唯一の男性
参加者である高根心一さんとお話しする機会がありました。高根さんは10月4日に奥様を亡くされたばかりで、仮設住宅での運動不足による血栓が原因で亡くなられたと伺いました。これは能登でなければ聞くことのできなかったであろう貴重な声であると感じています。ご自身も被災され大変な状況にもかかわらず、高根さんは仮設住宅の住民のために井戸を整備したり、支援物資の発電機を操作したりと尽力されていました。若い頃に大阪での3時間睡眠で働いていた経験が活かされているとお話しされていました。高根さんと蕎麦打ちをしたり歌を歌ったりと、心温まる時間を過ごすことができました。近年、夫となり父となったことで、以前は気づかなかった感情が芽生え、心に寄り添うこと、地域や心のつながりの重要性を改めて認識する貴重な機会となった」、などの意見が寄せられました。最後に長野県労働金庫の保科正宏推進役より、「現場で実際に活動する事で多くの気づきがありました。職場で、この経験を伝えていきたいと思います」と心温まるご挨拶で締めくくられました。
長野県労働金庫 保科正宏推進役
参加者の皆様