長野県内の生協のさまざまな活動・事業を紹介します。

活動報告

第2回長野県協同組合フェスティバル2019実行委員会を開催しました

6月11日(木)15時00分よりJA長野県ビル4階B会議室(長野市)において、第2回長野県協同組合フェスティバル2019実行委員会が開催され、JA長野中央会、JA長野信連、JA全農長野、JA長野厚生連、JA共済連長野、長野県森連、長野県労働金庫、生活クラブ生協、コープながの、労協ながの、㈱アド・ユニティー、長野県生協連より18名が出席しました。 続きを読む


信州まるごと健康チャレンジ2019 第3回実行委員会が開催されました。

信州まるごと健康チャレンジ2019第3回実行委員会が6月11日(火)16時10分から長野県JAビル4階B会議室(長野市)にて開催され、16名が参加しました。県生協連の関専務理事が開会の挨拶を行い開会し議事を進行しました。 続きを読む


―まち・住まい・コミュニティ― 「多様なチャンネルを活用して、居場所を見つけられる街に」 宮城県東松島市野蒜(のびる)まちづくり協議会

 野蒜駅の改札を出ると、広場の向こうに野蒜ケ丘の新しい街並みが広がっています。
 津波で甚大な被害をうけた東松島市野蒜地区では、多くの世帯が近くの山林を開いて造った高台へ集団移転しました。2017年10月にはまちびらきが行なわれています。
 野蒜まちづくり協議会(以下まち協)は、住民参加のまちづくりを目指し、野蒜ケ丘の3自治会や東名・大塚など旧市街地の5自治会と協力しながら、様々な事業に取り組んでいます。
 移転にあたって課題になったのがコミュニティ形成でした。まち協会長の菅原節郎さんは、「野蒜ケ丘は震災前のコミュニティを活かす形で移転したことや何度も話し合いを重ねたことで、“この街でこの人たちと暮らしていくんだ”という気持ちが醸成された。移転後も自治会ごとにイベントを開催し、それがコミュニティの活性化に役立っている」と話します。
 最近は野蒜ケ丘の分譲地を買って移り住む若い世帯も増えてきました。一方、災害公営住宅や旧市街地を中心に高齢化も進んでいます。
 まち協副会長の山縣嘉恵さんは「自治会のイベントに参加できない人もいる。そうした人々を含め、住民の地域での居場所づくりがまち協の役目になる」と言います。
同じくまち協副会長の佐賀剛さんも「地域全体のあり方を考え、若い世代が住みやすい街づくりや人材育成が大切になってくる」とこれからを見すえます。
 まち協では、昨年度開催した地域づくり勉強会や若い母親のためのママカフェを、今後も行う予定です。
 「ママカフェは市民センターの交流スペースを活用し、お母さんたちが子どもを遊ばせながらお茶を飲んだり、保健師さんや保育士さんに子育てについて相談したりする場」と山縣さん。地域づくり勉強会も「野蒜の街を知り、地域を担っていく人材を育てていくためのもの。今後も外部から講師を呼ぶなどして学ぶ機会をつくりたい」(佐賀さん)と積極的です。
 菅原さんは「すべての住民が自分の役割や出番があるような街にしたい」との思いを抱いています。「そのためには人と人のつながりが数多くあった方がいい。自治会ごとの交流だけでなく、ママカフェや勉強会、趣味のグループなど様々なチャンネルを活用して、自分の居場所を見つけてほしい」。
 もともと住民同士の付き合いが活発だった野蒜地区には、コミュニティの芯となる助け合いの習慣が今も根付いています。
まち協の住民参加のまちづくりは、そうした故郷の財産を活かしながら、今後も進められていきます。


2018年度 第8回理事会を開催しました

2019年4月16日(火)10時30分よりコープながの篠ノ井本部C会議室(長野市)において、第8回理事会が開催され、理事・監事11名が出席しました。 続きを読む


―復興を担う女性たち― 「南三陸町の漁業者の思い、町の魅力を伝えたい」 たみこの海パック

「津波を目の当たりにして、もう養殖はやれないと思った」と阿部民子さんは言います。しかし家業である漁業から離れるわけにはいきません。「だったら私は自分にできることで自分の居場所をつくろう」。そう考えて阿部さんは2012年10月、南三陸町の海産物詰合せを販売する「たみこの海パック」を立ち上げました。
「南三陸の海産物をお土産に買って帰りたい」というボランティアの声をヒントに、複数の水産加工場から商品を仕入れ、独自の詰合せセットを考案。ホームページ「たみこの海パック」を開設し、オンラインストアで通信販売を始めました。
さらに女性が短時間でもイキイキと働ける場所をつくりたいと願い、子育て中の女性を一人雇いました。女性は海藻類の袋詰めを、阿部さんは販売に奔走しました。「ボランティアさんに直接、買ってくださいとお願いし、近くの道の駅やスーパーに扱ってほしいと頼みに行きました」。
販路が広がるにつれて売上も増え、翌年秋には黒字を計上できるようになりました。「震災をきっかけに事業を始めた私の生き方を理解し、応援してくれている人たちがたみこの海パックを育ててくれました。人に恵まれたと思います」。
阿部さんには「たみこの海パック」を通じて南三陸町の漁業者の取り組みや町の魅力を伝えていきたいという思いがあります。
そのため商品に浜の様子や復興の歩みを伝える「たみこの四季だより」を同封したり、ワークショップで来町した人たちに南三陸町の漁業の特徴などを描いた紙芝居を披露したりしています。
「震災直後、漁業者は収入減を覚悟の上でカキの養殖いかだを3分の1以下に減らし、環境に配慮した養殖に切り替えました。みんな不安と葛藤のなかでスタートしたのです」。おかげで日本で初めて国際認証ASC(※)を取得できたこと、栄養が行き届いてより美味しいカキが獲れるようになったこと、海藻は漁業権を持った、主に女性たちが岩場を歩いて採っていることなどなど。
「売りたい伝えたい相手は県外・関東の人たち」と阿部さんは言います。それは大きな消費地に住む人たちにこそ生産地である南三陸町の海産物を味わってほしいから、町に足を運んでほしいからだと。
「課題は“伝えること”ですね。インスタやフェイスブックなどSNSを使って発信を続けていきます」と笑顔を見せます。

※ASC認証/養殖水産物に対するエコラベル。環境に負担をかけず地域社会に配慮して操業している養殖業に対する国際的な認証制度。

たみこの海パック https://www.tamipack.jp/