9月26日、27日に「福井県の生協の事業戦略や介護事業を学ぶ」ことを目的に福井県の生協視察研修を実施しました。鯖江市の社会福祉法人きらめき福祉会では、福井県民生協の広辻光生常務理事より「生涯にわたる心豊かな暮らしを支える事業~福井県民生協の“安全安心の福井づくり”~」と題して、ご講演をいただきました。人口74万人、約30万世帯の福井県で、世帯組織率57%全国屈指の組織率です。県内食品小売りシェア8.2%、食品スーパー販売シェア14.2%と、組合員からの支持率が高いことを感じました。また、介護給付費シェア4.08%は全国の生協でNO1、さらに生協全体の経常剰余率は1.3%で、介護福祉事業では3.6%とのことでした。事業ネットワーク戦略の理想的な姿は『組合員の幸せと地域社会のために「食と福祉と助け合い」の事業と活動の地域ネットワークによるシナジー効果を発揮し、健康長寿で安全・安心な福井づくりに、組合員と職員、地域との共同の力で高い志を持って挑戦し続ける。』とその意味をお聞きしました。
社会福祉法人きらめき福祉会は令和元年9月11日に登記された法人です。2019年1月に鯖江市より地域密着型サービス事業候補者として選定されたのをきっかけに社会福祉法人設立準備を始めたとのこと。社会福祉法人は社会福祉事業を目的として公益組織であるのに対して、生協法人は組合員の経済的・文化的生活向上という共益を目的として相互扶助組織です。より広い人を対象として福祉事業を行う組織が社会福祉法人であり、生協のネットワークと連携することで誰一人取り残さず、安心して暮らすことができる地域社会の構築を目指しているとのことです。きらめきの里鯖江では法人本部の武澤良邦様、施設長の後藤賢司様にご案内いただきました。地域交流スペースは視察したすべての施設に設置され、とても綺麗で地域の人との交流の場になっていました。
丹南きらめきの視察では8つの事業の説明があり、特に認知対応型通所介護事業(デイサービス)の取り組みを中心に、辻本理子施設長様、佐々木麻美マネージャー様より説明をお聞きして視察しました。ここでも認知症の利用者のやりたいことを受け止めて、サポートする職員の育成にも力を入れ、地域とのつながりでの活動の意味を学ぶことができました。
ハーツたけふ店では、太田裕樹店長様と林施設長様に、店舗の概況と子育て支援施設の説明をお聞きして、施設を視察させていただきました。買い物バス・ネットスーパーおつかいさん・移動店舗ハーツ便の説明もお聞きしました。
福井県生協連の織田良専務理事様より、福井県生協連の組織概要と活動をお聞きして、会員生協の連携事業や協同組合間連携事業を継続して取り組まれている状況をお聞きしました。また、長野県生協連の活動紹介もさせていただき、県連間の活動交流となりました。
ハーツ恐竜の視察では、米田勇店舗事業部部長様と友田明宏店長様に施設概要と店舗の説明をお聞きしました。福井駅東口から徒歩圏内での好立地に9月12日に新規オープンのお店で、店舗内には300匹以上の恐竜がいるとのことで、話題の店舗として来客の写真撮影も多いとのことでした。
最後に、岡保きらめきの視察では蓬莱谷執行役員様と岡田直子エリアマネージャー様に施設設置の経緯や活動内容をお聞きしました。地域の民生委員さんの強い要望があり、地域の活性化と安心のための交流拠点としての役割が印象に残っています。真ん中に位置するコーヒーサロンのスペースは明るくて落ち着ける地域の交流の場であることを実感しました。二日間を通して、福井県民生協の広辻常務様、蓬莱谷執行役員様、福井県生協連の織田専務様には大変お世話になり、生協事業の原点を学ぶとても充実して視察となりました。