長野県内の生協のさまざまな活動・事業を紹介します。

活動報告

健康チャレンジ2024キックオフ学習会を開催しました!

  • 2024/08/09

7月26日(金)に長野県協同組合連絡会主催の信州まるごと健康チャレンジ2024キックオフ学習会がオンライン企画として開催され、149名の参加がありました。

学習会は女子栄養大学栄養生理学研究室の上西一弘教授を講師にお招きし、「がんばらない減塩」のテーマで講演会を実施しました。講演はとてもわかりやすい言葉で納得のできる内容ばかりで、参加者からも明日からやってみたいことがたくさん報告されました。

最初に『あなたのお父さんの血圧が最近高くなってきました。あなたはお父さんに何をしてあげますか?』という問いから始まりました。一般的には食事を薄味にする、ラーメンのスープは飲まない、などの対策が多く聞かれますが、本当にそれで、血圧は下がりますか?他にすることはありませんか?血圧上昇の本当の原因は何かを考え、お父さんと散歩する、一緒に運動を始める、お父さんに心配をかけないなども大切で、他にもアルコールの過剰摂取、カリウムの摂取不足もあげられるそうです。高血圧治療ガイドライン2019では9つの対策が示されていて、減塩はその中の一つです。減塩に関連する食事の注意事項としては、炭水化物の取りすぎや脂質の取りすぎは体重増加につながり、血圧上昇の要因です。減塩のみにとらわれず、その人の暮らし方や生活を見て対策を考える視点が重要と説明されました。

次に食塩摂取の目標量は、WHOのガイドラインでは5g/日未満を強く推奨されています。しかし現状では日本人の食生活では10g/日ほどを摂取していると言います。急に半分にすることはできません。なので、日本で決定している目標量は、国民健康・栄養調査における摂取の中央値と5gと、中間地を目標量として定めています。日本人の塩分摂取量も年々減少しています。現在の日本の目標量は先人男性で7.5g/日で、成人女性で6.5g/日となっています。

減塩が必要な人は高齢者だけではなく、子どもや若者こそ注意が必要ということでした。実は年齢別の目標値は子どもの方が少なく、幼児から子どもでは3g~5g/日となっています。薄味になれることで一生の食につながることになります。逆に高齢者に薄味を強要すると食欲が減ることもあり、栄養不足になると余計に健康からは離れていきます。高齢者の減塩方法は工夫が必要とのことでした。

がんばらない減塩の方法としては、【味噌汁のお椀を小さくする】、【醤油の使用量を減らす】、【ラーメンスープは飲み干さない(穴あきスプーン)】、【あらしお(天然塩)利用】などをご紹介いただき、自分の暮らしに合わせて何が一つでも実施してみましょうとお話されました。イギリスでのパンの食塩を減らして成功した事例や乳和食の紹介もあり、減塩だけが血圧対策ではないこと、生活習慣を見直すこと、子どもや若い人こそ減塩を、がんばらない減塩をできることから始めましょうと締めくくられました。

参加者からは、「カリウムが必要な事、無理な減塩よりも、普段の食事の量を少し減らしてみる事、あら塩が良いことなど、とても勉強になりました」、「高血圧の家族には減塩のことばかりアドバイスしていましたが、生活習慣を見直すことがとても大切だということを知り、家族にも私自身も運動を心がけたいと思いました」、「あらしおの話:食塩相当量が75%ぐらいとの事、成分表示を確認し今後に役立てたいと思いました」、「運動すれば血圧が下がるものだと思っていました。食べすぎも注意なんですね・早速粗塩とスプレー式の醤油さし買います」、「「子供、若い人こそ減塩を!」という言葉が印象に残りました」、「乳和食について初めて知りました。やってみたいです」など、多くの感想が寄せられ、有意義な学習会となりました。