長野県内の生協のさまざまな活動・事業を紹介します。

活動報告

上期研修会「協同組合って、面白い!」和田寿昭コープ共済連理事長の講演会報告

  • 2024/08/08

和田寿昭氏(コープ共済連 理事長)

7月4日(木)に長野県生協連主催の上期研修会「協同組合って、面白い!~協同組合の歴史や課題、協同組合と共済を学ぶ講演会」を開催し、7生協及び事務局含め38名の参加がありました。講師には日本コープ共済連の和田寿昭理事長をお迎えして、ご講演をいただきました。

県生協連の太田会長の主催者挨拶の後、さっそく和田理事長の講演に入りました。自己紹介では大学生協、地域生協の設立への参加、大学生協連の専務理事、日生協の専務理事、コープ共済連の理事長、今年からは生協総研の専務理事など様々な生協組織に身を置き、多くの全国連合会の役員を歴任して来られた立場からお話しいただきました。

講演では2025年を国連が国際協同組合年と宣言したことの意味と目的の説明があり、国連の場で世界の多くの国々が参加して決議した意味、既存の法律や規制を改善する、制度を見直すことを求めていると説明されました。ご自身も世界各国の協同組合を視察して来た経験から、世界と日本の協同組合の違いと日本の協同組合の課題を指摘され、員外利用規制は日本独自のルールで早急に見直しをしなければいけない部分と説明されました。他には、社会的ポジションの低さ、協同組合基本法の不在、ナショナルセンターづくりが必要、協同組合の垣根を超えた連携と経済活動が鍵で、今後は個別の協同組合だけが生き残ることは難しい時代になっていると指摘されました。

1回目の国際協同組合年である2012年を契機にJCA(日本協同組合連携機構)が発足した経緯とその背景、そして、今後の課題について説明されました。

協同組合のアイデンティティについてもICA(国際協同組合同盟)の問題意識の言葉を紹介され、かなり激しい口調での危機意識と問題意識の元に「協同組合のアイデンティティの学習と協議を提起された意味」を理解する必要がある旨話され、JCAと日本生協連が提出した意見を紹介されました。また日本の協同組合の特徴として、組合員参加が指摘され、世界の協同組合では「組合員参加」は当たり前ではない、日本の特徴であるとの説明がありました。

最後に、世界的な視点でみると「労働者協同組合」は協同組合の大きな中心的な柱の一つになっている。日本でも2022年10月に労働者協同組合法が施行されたが、今後はもっと広がっていく可能性が大きいと話されました。海外の協同組合を視察すること、もっと海外にも目を向けて学ぶことの大切さも述べられました。

最後に、協同組合という社会システムの発展を考えたときに、協同組合の可能性は無限大であり、協同組合が目指す社会システムは資本主義でも社会主義でもない第三の道として「サードセクター」と言われ、市民がリードする社会システムであり、その意味は大きい。この協同組合の社会システムを国の制度として位置付けることが必要であり、そのためにも是非とも協同組合基本法の制定を求めていく事が大切であると締めくくられました。

★上期研修会は以下のURLからアーカイブ動画をご視聴いただけます。(76分)

⇒ https://youtu.be/SpjUI3cy6b0