8月18日(金)に長野県生協連主催の2023年度理事長・専務理事懇談会がホテルメトロポリタン長野3階志賀の間(長野市)で開催され、11会員と講師、事務局を含めて22名が参加しました。
理事長・専務理事懇談会は、冒頭太田栄一会長理事の開会挨拶で始まりました。
学習講演会ではJA長野中央会の新芝正秀常務理事をお招きして、「食と農の現状と課題~世界・日本・長野県の食と農の取り組み」と題してご講演をいただきました。初めに、なぜ食糧安全保障が必要かについて、日本の「食」をとりまく5つのリスクと現状について話されました。日本の食糧自給率が38%の低水準の状態が続き、輸入食品の値上げや確保困難な状況があり、国内生産を支える肥料やエネルギー価格の高騰が生産者を苦しめている。また、人口減少の日本は市場は縮小しているが、世界では人口増加で需要は拡大しており、相対的に日本の輸入食糧の確保力は低下している。国内生産の拡大や持続可能な農業の実現ならびに食糧安全保障の強化に向け、「農業の再生産に配慮した適正な価格形成」が必要であり、日本の実態に即した仕組みが必要だが、そのためにも生産者・加工メーカー・小売業・消費者を含めたバリューチェーン全体の理解と合意が大切であるとのこと。また、国内の課題としては格差の拡大や社会的弱者や買い物弱者などが増えている状況もある。
長野県には農家戸数は89700戸以上で全国1位、専業農家戸数も55000戸ある。年々減少はしており、専業農家の平均年齢は69歳だが、長野県の生産物ではレタス・セルリー・えのき、ぶなしめじなどは全国1位、農家の8割が標高500m以上に位置し、とても優良な農地を有しているという利点もある。長野県の農業、生産者を支えて、応援して持続可能な農業生産を続けていくためにJA長野県グループも活動を続けていく、生協や消費者のみなさんの理解と応援をお願いしたいとお話されました。
その後、会員生協の報告と交流が行われました。生活協同組合コープながのの丸山辰明専務からは事業活動から幅広い取り組みまで紹介されました。長野医療生活協同組合の井出吉人専務理事からは到達点と現状の課題について報告され長野医療生協がこれから目指す方向性についての説明がありました。長野県労働金庫の西澤順一専務理事からは長野ろうきんの中期計画やSDGsと長野ろうきんの取り組み、また県生協連の会員生協との協同活動の紹介もありました。それぞれ短時間での報告でしたが、それぞれの生協の特徴がよくわかる報告で相互の理解が深まる時間となりました。 今年度は懇談会の後で、交流懇親会が4年ぶりに開催され、参加者全員から一言ずつ自己紹介をいただき、コロナ禍でなかなか交流ができなかった期間が長く続いてきましたが、対面での相互交流の大切さを実感した時間となりました。最後に関佳之専務理事の閉会の挨拶があり終了となりました。