長野県協同組合連絡会では、「信州まるごと健康チャレンジ学習会」を「『都道府県における健康格差』と長野県における信州まるごと健康チャレンジの結果報告」と題して、2022年2月8日(火)にオンラインで開催し、33名の視聴者がありました。
第1部では、松本大学人間健康学部スポーツ健康学科の田邉愛子准教授に、テーマにそって約1時間のご講演をいただきました。田邊先生には長野県協同組合連絡会が主催をして健康チャレンジの取り組みを始めた2018年から毎年監修を努めていただき、また結果報告の分析とまとめをお願いしています。
冒頭、世界における平均寿命の紹介があり、日本が第一位、男女で見ても、男性は81.5歳で二位、女性は86.9歳で一位です。国内の状況では長野県は第二位です(2015年データ)。1965年には長野県は男性9位、女性26位でした。長野の特徴としては、野菜摂取量が全国トップ、高齢者の就業率も全国トップです。食生活改善委員や保険歩道委員の地域活動も大きく貢献していると予測できるとのことでした。
そのような長野県において、今年度で4年目となる「信州まるごと健康チャレンジ」の結果分析についてご報告いただきました。参加人数の推移や内訳、男女差、効果の有無、コース別の参加者数や達成率、次年度参加希望など項目ごとに詳しくご説明いただきました。毎年の傾向ですが、男女比では67%が女性です。また昨年と同様に更に70代・80代以上の参加者が増えています。9つのコース別参加者数では、これも毎年の傾向で、運動習慣が1位、マイチャレンジが2位ですが、コロナの影響か「バランスの良い食事」と「減塩」が同率3位、「あいうべ体操」と「だれかとおしゃべり」が僅差で4位となっています。「禁煙」や「お酒は上手に」は少ないですね。健康チャレンジに参加して、67%の人が「効果があった」と回答され、特に「運動習慣」と「禁煙」と「バランスの良い食事」に取り組んだ人に多かったです。
この4年間で見ると、減少傾向にあった2年目と3年目でしたが、2021年度は増加となり過去最高の参加人数となりました。参加者分析の中で、毎年40%の方が初参加で、その方々に次年度も参加いただく工夫をすれば、参加者は増えていく。昨年は初回→2回目の率は48%、今年度は初回→2回目の率は65%と増えている。参加者の93%は次年度も参加したいと回答していることからもこの継続率を上げることは可能と思われる。2021年度はメールマガジンの発行やオンライン座談会の開催などにも取り組まれた成果とも言える結果です、と話されました。最後に、次年度に向けてアウトカム評価の5項目の質問項目もご提案いただき、次年度の課題をいただきました。
第2部は「フレイル予防のための運動実践」として、田邉ゼミの学生さんによるオンライン講座が行われました。最初に田邊先生からフレイルについての説明がありました。フレイルのセルフチェックの方法も教えていただき、参加者各自が自分自身の状態をチェックできました。新型コロナ感染拡大の第6波の最中で、ゼミの学生さんたちは各自オンラインで連絡を取り合い、運動実践教室用の動画をこの学習会のために作成してくださり、その動画を流すことで実施することができました。運動教室も素晴らしい内容でしたが、そのアイディアと行動力に参加者からは感謝の声が多く寄せられました。参加者は各自の視聴場所で運動教室に参加をして、ユーモアを交えた脳トレともコラボした運動教室は、笑いとキツさが同居した楽しい時間となりました。