長野県内の生協のさまざまな活動・事業を紹介します。

活動報告

県生協連理事会で福島県を訪問しました。

9月26日、27日に福島県生協連のご案内により、福島第一原子力発電所の廃炉作業を視察し、福島県の協同組合のみなさんと懇談を行いました。今回の視察は東日本・津波・原発事故大震災から8年半が経過した福島県の復興状況を学び、今後の被災地支援活動に活かすことを目的に企画し、JA長野中央会にも参加を呼びかけ実施しました。参加者は県生協連の理事・監事・事務局から11名、JA長野中央会から1名、JCA(日本協同組合連携機構)から1名の合計13名での訪問となりました。

今回の視察は福島県双葉郡富岡町からスタートしました。バスで東京電力廃炉資料館に移動して福島第一原子力発電所廃炉作業の見学の注意事項・本人確認・説明ビデオの資料と概要説明を受けて、東電のバスに乗車して車内から構内を視察しました。構内を細かく視察し、1号機から6号機まですべて見学し、汚染水の処理施設や廃棄物貯蔵の状況も見学しました。それぞれの見学場所では見やすいようにバスを停車して詳しい説明を聞き、1時間以上かけての構内視察となりました。

原子力発電所の廃炉作業は、事故後8年半が経過しているにもかかわらず、亀のあゆみよりも遅い進捗であり、本当にこの作業にゴールがあるのかと感じる内容でした。特に放射性物質や溶解したデブリについては、どんな形状でどんな物質かもわからないので、まず対象としている物質の特性を把握すること、その後の処理方法を研究することから始まります。もちろん汚染水の処理方法も未だ結論が出ていない状況です。そういう中でも作業者の安全確保を第一に日々の作業が進められていることに安心感というよりも宿題というか問題の大きさを感じました。原子力発電所から福島市への移動のバスの中では福島県生協連の佐藤一夫専務より福島の現状と課題や今後について60ページに及ぶ資料を元に説明をいただき、この8年半に及ぶ復興に向けての想いも併せて感じることができました。また、26日の夜にはJA福島中央会・JAふくしま未来・福島大学・福島県生協連の皆様9名と長野県連メンバー13名とで交流させていただきました。

27日にはラコパ福島の会議室にて福島の皆様との懇談の機会を頂きました。まず、福島大学の小山良太教授の「絆で復興!ふくしまSTYLE~食農のミライ~」と題してお話を頂きました。次に福島県生協連の佐藤一夫専務からは「地産地消ふくしまネットの取組報告」をお聞きし、JAふくしま未来の加藤光一総務部長からは「福島県の農産物の安全性確保対策について」のお話を、福島医療生協の山口裕総務部長からは「福島医療生協における放射線対策の取り組みについて」のお話をお聞きしました。それぞれの協同組合が地域の一人一人の悩みや思いに寄り添い、震災後積み重ねてこられた取り組みや今後に向けての計画や思いをお聞きすることができました。福島野課題や取り組みは福島だけの事ではなく、長野県にいる私たち自身のこれからの問題でもあるのだと改めて感じるとともに、私たちの暮らしにもつながっている問題であると感じました。

二日間を通して、福島県生協連の佐藤一夫専務を始め、JA福島中央会、JAふくしまみらい、福島医療生協の皆様に大変お世話になり、充実した視察となりました。

*2019年10月12日から13日にかけての台風19号による水害のため、写真データを失ったため、お見苦しい点がありますことをご容赦ください。