長野県内の生協のさまざまな活動・事業を紹介します。

活動報告

下期役職員研修会を開催しました!

下期研修会の会場の様子

福島大学農学群食農学類の小山良太教授の講演

信州大学人文学部(認知心理学)の菊池聡教授の講演

長野県生協連は2020年1月24日(金)、ホテルメトロポリタン長野において、2019年度下期役職員研修会を開催し、会員生協や協同組合連絡会、長野県虹の会会員から50名が参加しました。県生協連の関佳之専務理事の司会進行で始まり、冒頭、上田均会長理事より主催者を代表して挨拶がありました。

最初の講演は、福島大学農学群食農学類(経済学系)の小山良太教授より「福島の復興のために何が必要なのか」と題して、お話いただきました。ご講演では、最初にサマンサタバサジャパンと共同で取り組んでいる事業について紹介があり、これからの農業再建や農業復興を考える時に「若い世代とどうつながっていくのか」が大きなキーワードになると話されました。また風評被害という言葉は間違っている。消費者にデータや現状がきちんと伝わっていないことが原因であり、風評が原因ではないと。また、一般の評価として農業生産物の販売価格が上昇していることを見て、復興が進んでいるとの評価は誤りで、全体市況の推移の中で福島県産品の価格を比較すると、平均価格よりも高かった価格が、震災以降ずっと低くなっているのが現状です。野菜や果樹の価格は戻りつつあるが、畜産と米は流通業界の構造的問題に原因があると分析できる。地産地消ふくしまネットの活動を紹介され、地産地消の意義や、今後の消費者とのつながりや協同組合間連携に期待が大きいと話されました。

続いて、信州大学人文学部(認知心理学)の菊池聡教授より「人はなぜ怪しい情報を『信じてしまう』のか?」~詐欺・悪質商法・ニセ科学からのクリティカルシンキング入門~と題してお話いただきました。信州大学地域防災減災センター長もお務めで、各地での特殊詐欺被害防止の講演会でも多数ご講演をしていらっしゃいます。人はだまされる方が自然であり、ボケているから騙されるのではなく、賢いから騙されるのだと、無意識のうちに事実を歪めて認知する仕組み=認知バイアスが人間の脳には組み込まれているということを、いくつかのクイズや画像で解説いただきました。参加者は全員、驚きました。菊池先生はそういう認知バイアスをダメな物と考えるのではなく、生活していく中では必要で大切なものだと話されました。同時に自分がそうしたバイアスのかかった認知を働かせていることについて知り、制御していく志向性を持つことが大事なのだと。自分自身を深く知り、いつも内省的で熟考的な考え方を持つように意識していくことが大切だと感じた講演でした。様々な事例や映像もあり、驚きと納得の講演となりました。