長野県内の生協のさまざまな活動・事業を紹介します。

活動報告

介護福祉部会主催 小多機・看多機オンライン学習交流会開催!

  • 2021/10/26

長野県生協連介護福祉部会は、新型コロナ感染拡大の影響で集合しての学習交流の機会がない中で、オンラインでの学習交流会で互いに学び合い事業に役立つ情報交流をしたいとの声があがり、2021年9月15日(水)9時30分~11時に、「看護小規模多機能居宅介護・小規模多機能居宅介護についてのオンライン学習交流会」を開催しました。当日は5生協と事務局を含めて13名の参加がありました。

冒頭、豊田孝明介護福祉部会長より挨拶があり、講師の上伊那医療生協の藤田将仁介護事業部長から「小規模多機能居宅介護と看護小規模多機能居宅介護について」と題して60分間の講演をしていただきました。

上伊那医療生協の沿革の中で、2012年生協ケアセンター春近なないろの家開設から、法人全体として地域密着による地域包括ケアにシフトチェンジしてきた経過を話されました。上伊那生協病院を中心にしながら、地域の31カ所に介護事業所を開設運営し、地域に戻った人をどう支えていくのか、「人をど真ん中」に点から線へ、線から面へつないでいくサービスでなくては地域を支えることはできないとの方針で在宅強化を進めて来たと。

小規模多機能居宅介護施設とは、小規模(登録29名)・多機能(通所・訪問・宿泊)・居宅介護(ケアマネージャー)がひとつの事業所に集約され、24時間365日利用者を地域で支えるとの説明でした。単独の施設運営よりも、小多機・看多機では、地域との関りが大切で、常に地域に情報を公開し、地域にどう役立っているかを発信し、地域のステークホルダーの方々にも理解してもらわないといけない。管理者にはその視点と姿勢が必要だと話されました。

施設開設に必要な準備としては、地域分析・人材育成と確保計画・事業計画づくりが大切で、それぞれをきちんと同時並行で進めていく必要があり、それぞれの準備過程のポイント、情報、苦労など具体的にお話いただきました。

施設開設後に重要になるのが、利用者確保だが、単に利用者を集めるという視点ではなく、どういう方が小多機・看多機に向いているかを考えた利用者確保が大切だということです。報酬(利用料)も日割りではなく、月額になるので、利用頻度の低い方にとっては「割高感」が拭えないのだと。

また、人員体制と収支バランスについても具体的にどこが大変で、どのような状況であるかも説明いただきました。新規施設の建設から始めるとどうしても開設当初は減価償却が経営の負担にはなるが、現存施設の転用であれば、開設当初からの黒字化は可能であり、単独の施設管理よりも報酬が高い分、利用者を確保すれば収支は安定するとのお話でした。人員確保も人数を集めればよいということでもなく、どういう資質が必要か、どういう視点が必要か分かりやすく説明いただきました。

全体の講演の後、それぞれの参加者からは質問と感想が出され、一つ一つの質問には、藤田部長から丁寧に回答し、説明をいただきました。

上伊那医療生協が法人としての方針を確立して、継続して進めて来た事業戦略の中で、現在の施設開設と運営があるということ、また地域の行政とのコミュニケーションも継続して進めてくる中で育てて来た行政との信頼関係もある中での現在の事業でもあると理解ができました。

講師をお勤めいただいた上伊那医療生協の藤田将仁介護部長には丁寧なわかりやすい資料もご準備いただいたおかげで、充実した実りの多い学習交流会となりました。

尚、介護福祉部会では第2回の小多機・看多機学習交流会を12月に開催する予定です。第2回は管理者・スタッフ向けの運営ややりがいなどに商店を当てた内容となる予定です。