長野県生協連は2019年1月25日(金)、ホテルメトロポリタン長野において、2018年度下期役職員研修会を開催し、会員生協や協同組合連絡会、長野県虹の会会員から60名が参加しました。県生協連の関佳之専務理事の司会進行で始まり、冒頭、上田均会長理事より主催者を代表して挨拶がありました。
最初の講演は、元防衛大臣の北澤俊美様より「憲法9条と日本の平和、これまでとこれから」と題して、お話いただきました。ご講演では、40年間の政治家人生を振り返り「平和を求めることを第一に考えてきた」ことや、平和のためには歴史に学ぶことが基本で、自身も良く学んだと話されました。参考資料としての書籍のご紹介もあり、特に自分自身の座右の銘「きけわだつみのこえ」は、大学生として上京して間もなく友人の薦めで読み大きな衝撃を受け、その後現在まで60年間常に身辺から離さずにいるそうです。また防衛大臣当時、憲法9条が一番心強かったとの思いについては、外交対応の時に憲法9条を前提に判断をでき、歯止めのように支えられていたとのお話でした。参加者からは大変興味深い話で、私たち自身も平和や憲法について学ぶことが大切だと感じたとの感想が出されました。
続いて、NPO法人東京レインボープライド共同代表で、フェンシング元女子日本代表の杉山文野氏より「『みんな違う』が当たり前の社会へ」~LGBTと多様性~と題してお話いただきました。杉山氏は女性の身体で生まれ、男性の心を持つ方です。幼少期からのご経験やその中で感じてきた自分自身の違和感・辛さそして、周囲の人からの視線や生きにくさの中から気付いたことを話されました。子どもの頃から自分自身への違和感があり、中学生から高校生になる頃が一番辛かった時期で、家族や友人など一番身近な人にも一切相談できない生活だったそうです。人とは違う自分は間違っていると思っていた。人と違う自分には、未来なんてないと思っていた。でも、誰もが人とは違う自分を大事にしながら、自分と違う相手も大切にすることが、すべての人が幸せに豊かに生きる社会をつくることになるのだと。人との違いはその人自身のアイデンティティであると話されました。
参加者からは、お話を聞いてとても身近なことであると気付きました。もっと知る機会を増やし、人との違いを受け入れられる自分や社会になる必要があるとの感想が寄せられました。様々な事例や映像の紹介もあり、全員が最後まで集中して聞き入った素晴らしい講演となりました。