長野県内の生協のさまざまな活動・事業を紹介します。

活動報告

健康チャレンジ2022キックオフ学習会を開催しました!

  • 2023/01/06

講師の廣田直子氏

講師の中島潤子氏

7月28日(木)に長野県生協連主催の信州まるごと健康チャレンジ2022キックオフ学習会が開催され、110名以上の参加がありました。

学習会は3部構成で開催されお二人の講師の講演と松本大学の田辺ゼミのみなさんによる運動実践教室が行われました。第1部では広田直子氏(松本大学大学院健康科学研究科/人間兼工学部健康栄養学科教授)を講師にお迎えし、「長野県の健康長寿を延伸させるために~食の課題解決に向けて考えたいこと~」のテーマでご講演いただきました。まず初めに目指すべきは長寿ではなく、健康長寿であると、また健康は手段であり、未来に向かって頑張るための基礎条件であると話され、その健康づくりのカギとなる食の課題を考える大切さがテーマです。栄養不良の二重負荷=『働き盛りの生活習慣病予防と過剰栄養対策』+『高齢期で問題となるフレイル・低栄養対策』という現状があり、長寿県である長野県での食は適切な食事モデルになりうるが、次世代に受け継がれていないことが問題と思われ、松川村での男性の80代と中学生を対象とした調査でその原因が推察される。「沖縄26ショック」という言葉で表現される経済政策の変化による脂質摂取量の変化が、後に成人期の生活習慣病リスクの増大となり平均余命の伸びの低下につながる。長野県でもじわじわと同様の変化が表れている。一方、長野県の特徴として野菜摂取量の日本1位の実績が県民の健康に大きく貢献している事実がある。地物野菜をご近所に配る「お裾分け文化」は健康づくりや地域づくりに大きく寄与しているかもしれない。偉大なるおせっかいは重要なソーシャルキャピタル(社会資源)と言える。健康長寿にむすびついた食事を考える時に、「食事の形」を伝えることが大切だと言える。健康づくりの推進には蜘蛛の巣のような地域のつながりが重要でそのためにはつなぎ役が必要です。地域の資源やつながりに目を向け、これからも大切にしていくことが必要ですと話されました。

第2部では、中島潤子氏(なかじま歯科医院院長/歯学博士/MBA)を講師にお迎えし、「Withコロナ時代の簡単健康法~口呼吸対策に有効な『あいうべ体操とマウステーピング』」のテーマでご講演いただきました。口呼吸と鼻呼吸の違いからご説明いただき、鼻呼吸の効果と大切さそして、日本人の10人に8人は口呼吸を寝ている間にしていると話されました。口呼吸を鼻呼吸に変える方法として、「あいうべ体操」と「マウステーピング」をなかじま歯科医院ではご紹介しているということでした。その患者さんをはじめ、マウステーピングを実践している多くの方々からの事例をご紹介いただき、多くの病気の症状が改善されているとのことでした。花粉症・いびき、無呼吸症候群・夜間頻尿などその他多くの疾患での改善事例があり、マウステーピングは市販のサージカルテープで誰でも簡単に実践できるので、一度関心のある方は試してみてはどうかとのことでした。あいうべ体操やマウステープの実践で健康な人がもっと増えることを願っていますとお話いただきました。

松本大学人間健康学部スポーツ健康学科の田邉愛子ゼミの3年生ゼミ生8名が担当してくれました。いろいろと検討して「認知症予防のコグニサイズ」「筋トレ講座」そして、「ストレッチング」を内容も全部自分たちで考えて実践してくれました。授業の関係もあり、事前にビデオ撮影した動画による運動教室でしたが、それぞれの講座内容は立っている人、座っている人、後ろ向きの人など見ていてもとても分かりやすく、参加者が画面越しで講義を受けながら全員が体を動かして楽しく実施することができました。

参加者からは、「長野県の県民性からひも解く分析が興味深かったです。そして、やはり各家族で過ごしている私にとっては、今後の課題として「食事の形」を子どものために改めて意識していこうと思いました。また、調理作業や会食の機会も意識して実行回数を増やしていきたいと思いました。」「口呼吸での弊害や病状について詳しく知ることができたのは非常に参考になりました。早速今晩から取り組んでみたいと思います。良い結果が出るように継続する努力をしてみます!」「学生さんたちの動画のおかげで、とてもわかりやすく、アングルが前と横があって見やすかったです。デスクワーク多いですが、少しでも体を動かせてよかった。」など、多くの感想が寄せられ、有意義な学習会となりました。