長野県内の生協のさまざまな活動・事業を紹介します。

活動報告

下期研修会大規模災害に備え、被災者支援を考える学習会を開催!

  • 2024/06/19

長野県生協連は2024年1月19日(金)、ホテルメトロポリタン長野において、2023年度下期役職員研修会「大規模災害に備え、被災者支援を考える学習会」を開催し、40名が参加しました。冒頭、県生協連の太田栄一会長理事より主催者挨拶があり、その後、3つの講演をお聞きして学びました。

第1部では「災害に備える全国生協のBCP」と題して、日本生協連管理本部総合マネジメント部部長の高橋玲一様にご講演いただきました。まず、災害時に生協が果たす役割として①事業継続でくらしを支える、②行政への緊急支援物資、③地域の団体と連携したくらし・地域の復興と話され、会員生協・事業連合・県生協連・日生協のそれぞれの役割がり、日生協でもそれぞれの支援活動に対応する部署の役割があると話されました。今までの大規模災害での活動を振り返り、その都度どのように行政等との災害協定が見直され、BCPが改定されてきたのかの説明がありました。現在のBCPも過去の経験により改定されてきた結果です。くらし・地域復興応援募金の実績では2011年度の募金総額は42億円。生協は組合員一人一人の思いをカタチにかえて、被災地を応援することができる組織です。災害支援活動を通して行政との信頼関係が大きく進んだ事例として熊本地震の事例も紹介されました。この間全国BCPは想定災害規模と支援内容をより現実的なものとなるよう、また、実際に活用しやすく簡潔に改定されてきました。

続いて、「生協の概要及び災害支援について」と題して、日本生協連組織推進本部社会・地域活動推進部の蔦直宏様にご講演いただきました。ご講演では事業継続による被災地支援以外の被災者支援活動の事例を具体的にご紹介いただき、情報共有会議への参加や地域での炊き出し、サロン活動、地域おこしのイベント参加など組合員を交えての様々な活動が行われ、それぞれの活動により被災地での生協への信頼が増し、結果的には後の大きな事業結集にもつながっている事例が多いと話されました。生協が被災者支援をする意味を分かりやすくお話いただきました。

第2部では「これまでとこれからの災害支援、被災者支援活動と生活協同組合への期待」と題して、一般社団法人ピースボート災害支援センター理事・事務局長の上島安裕様にご講演をいただきました。冒頭にピースボート災害支援センターが大事にしている考え方として「人こそが人を支援できる」ということ。「人の力を信じる」という考え方で、この13年間で共に活動したボランティアは延べ11万人以上、毎年6~7カ所の被災地で活動をしてきた。災害時には、避難所支援、被災家屋支援、災害VC運営サポート、サロン・コミュニティー形成、写真洗浄、子ども支援など被災者に寄り添った多種多様な支援活動を実施されています。また、平時には防災・減災への講演や研修と災害に備えた地域ネットワーク構築の活動などを実施されています。その後、これまでの様々な地域での災害支援活動を紹介されパルシステムやグリーンコープ生協とも多くの被災地で連携した支援活動をしているとご紹介されました。近年の災害支援では三者連携(「行政」「社協」「民間・NPO」の連携)が必要であり、日頃からのつながりが重要であること。また、現状認識としての課題として①機構変更による災害の激甚化、②もとからある地域課題、③災害時に繰り返される課題、④民間支援組織の乏しさを上げられ、それぞれ具体的にご説明いただきました。特に③の課題では「災害関連死」「要配慮者」「避難所環境」「食事やトイレ環境」などは30年前と変わらない現状に危機感があるとのお話でした。コロナ禍でボランティアは47%減少している、災害の頻発でマスコミの現状報道が減少している、なども心配されます。大事なのは平時の活動とつながり、フェーズフリーな活動をどう工夫して広げていくかなど、これからの活動に対して多くの示唆に富むお話となりました。

今回の下期研修会は3人の講師の方々には会場にてご講演をいただく予定でしたが、令和6年能登半島地震の被災者支援の活動の真っただ中ということもあり、それぞれの支援活動の現場からオンラインにてご講演いただきました。またご講演内容のアーカイブ動画は各会員生協に後日配信され、各会員生協内で学習会などで活用していただきます。

★youtube視聴URL。長野県生協連下期研修会: https://youtu.be/Qr087GkFfe0

(※写真上から:学習会の様子、高橋玲一氏、蔦直宏氏、上島安裕氏)