長野県内の生協のさまざまな活動・事業を紹介します。

活動報告

3.11を忘れない  みやぎ生協から被災地・宮城のいまをお伝えします(第18回)

▲写真①「ぜひ手作り商品カタログを利用してください」と広部知森さん(中央)。応援のしっぽ事務局長の阿部麻由子さん(右)とスタッフの佐竹裕子さん。

▲写真②「応援のしっぽ」はみやぎ生協とともに『新手作り商品カタログ』等で手作り品の販売支援を行っています。(※2)

「生きがいを失いたくない」。手しごとコミュニティのいま。

 震災発生から間もなく4年、伝えたいことは何ですか? 被災した方々にそう尋ねると、「震災の時はありがとう。これからも被災地を忘れないでください」との言葉が返ってきます。「忘れられると、社会から見捨てられそうで不安です」と話す方もいます。

実際、徐々に震災報道は少なくなり、宮城県へのボランティアも‘11年度の526,000人から‘13年度56,000人と約10分の1に減少しました(※1)。

被災後、生きがいやコミュニティづくりのために手作り品の制作・販売を始めた「手しごとコミュニティ」の人たちはいま、そうした震災の風化や被災地の環境変化に向き合っています。

手しごとコミュニティの運営を支援するNPO法人「応援のしっぽ」の広部知森さん(代表理事)は、「商品販売量は最盛期の3分の2ぐらいまで減少している」と指摘します。

手しごとコミュニティでは黙々と手を動かすことで心を癒し、作った商品が喜ばれるという体験を通じて笑顔と誇りを取り戻してきました。「人間関係に苦労しながらも結びつきを強めた団体がありますし、解散の危機を乗り越えたところもあります」。

手しごとの場の消滅は、そうした強い結びつきを持つ人たちの生きがいを奪うことになります。

そのため「仮設住宅から転居しても活動を続けたい」と声があがるようになりました。

商品の開発に取り組む団体や高齢者の笑顔づくりを目的とする団体、手作りが趣味の団体と、形はさまざまです。「いまはそれぞれの方向性を自分たちで決めていく時期。復興を支えるには小さくて多様なコミュニティがたくさんあった方が良い」と広部さんは言います。

心の復興はこれからと言われる被災地で、生きがいを求め、手しごとの小さなコミュニティを守ろうとする人たち。私たちは、この時期だからこそ、手しごと品の購入を通して、「忘れていない」ことを伝え続けていくことが大切なのかも知れません。

 ※1 宮城県災害・被災地社協等復興支援ボランティアセンター「ボランティア活動人数報告」

※2 カタログの内容やご注文方法など詳しくはこちらをご覧ください。

http://www.miyagi.coop/support/shien/handmade/