RSY講義中の様子
生活クラブ 名取由美子副理事長
長野医療生協による健康チェック
長野県生協連では、2025年度の活動方針である能登半島地震被災地の復旧支援のため、「能登半島地震被災地視察と現地サロン活動」の第2回本企画を実施しました。
今回は、県庁生協、生活クラブ生協長野、長野医療生協、長野県高齢者生協、県生協連から役職員の計12名が参加しました。初日は、NPO法人レスキューストックヤード(RSY)事務局スタッフの長田富美子氏による講演・交流会を開催しました。講演では「令和6年能登半島地震 被災者支援」をテーマにご講演いただきました。冒頭、レスキューストックヤードの始まりとして、阪神淡路大震災での経験を活かし、被災された方々に寄り添いながら多岐にわたる支援活動を展開されてきたことについて伺いました。次に、穴水町の概要と震災による被害についての詳細な報告がありました。続いて、発災直後から現在に至るまでの支援活動についてお話しいただきました。具体的な内容は以下の通りです。
「初期の混乱期における支援」: 震災直後の上下水道の停止、衛生環境の悪化といった困難な状況下で、清潔な避難所の確保や、住民ボランティアの方々への講習を実施されました。
「生活再建へのきめ細やかなサポート」: 炊き出しや足湯といった心のケア、仮設住宅への入居支援、さらにはタンスの設置サービスや、DIYサービスを通じた住民との対話による心のケア、被災者の理想の家づくり支援など、多岐にわたるサポートを展開されました。
「地域に根差した活動」: 全国からのボランティアコーディネート、地元企業との連携による物資提供や、住民の方々の手作りの品を販売する「ちいさなご商売」の支援を行われました。
「能登町での活動」: 断水が続く地域への水運搬支援、地元住民による手作りの品販売のサポート、買い物支援など、具体的なニーズに応じた支援を実施されました。
この度の講演を通じて、被災地の現状と、きめ細やかな支援の重要性を改めて深く認識することができました。参加した役職員からは、「RSYの寄り添い活動と課題をお聞きすることができ、支援活動の意義を改めて感じました。1年9カ月の時点で、被災住民の気持ちに差が出ていることは6年前の長野のときも同様だったと思い起こしました。港の状況や車中から見た道路沿いの解体跡地は胸が痛みました。東北震災の視察で家並みのあちこちが歯抜けになっていたのも思い出されました。長沼も草が生い茂る空き地が増え、これが被災の爪痕なのだろうと思います」といった感想が寄せられ、意義深い時間となりました。また、翌日のサロン会場周辺でのチラシ配布活動では、「楽しみにしているよ!」「必ず行くね!」といった温かいお言葉をいただき、サロンへの期待の高さが伺えました。
第2日目のサロン会場には、過去最高の38名の方にご来場いただき、盛況のうちに終えることができました。冒頭、生活クラブ生協長野の名取由美子副理事長よりご挨拶をいただき、前日に打った信州そばを皆様に振る舞いました。「本物の信州そばのおいしさを堪能してほしい」という思いから、連携プレーで迅速に提供できるよう努めました。

会場では、参加者が被災者の方々の間に座り、積極的にお声がけするなど、活発な交流が見られました。最後の企画「みんなで歌おう」では、大きな歌声が響き渡り、被災者の方々からは、「お話ができて嬉しい」「遠いところから来てくれてありがとう」「楽しい時間をありがとう」といった温かいお言葉をいただきました。参加した役職員からも、「被災地の皆様と交流ができ、私が元気を頂きました。皆さん辛い出来事を経験され1日1日前を向いて懸命に生きて来られたんだと、人間の生きる強さを感じました」といった感想が寄せられ、貴重な経験となりました。

最後に、長野医療生協の吉田廣子常務理事より「きっとまた来ます。みなさんの顔を見に」と心温まるご挨拶で締めくくられました。
