11月6日(月)、7日(火)の2日間、県生協連介護福祉部会県外視察が行われ、長野医療生協、長野県高齢者生協、生活クラブ生協長野、事務局から9名が参加し、南医療生協(名古屋市)を視察しました。
6日に南医療生協病院に到着し、南医療生協の歴史や地域での組合員を中心とした活動の歴史などガイダンスDVDを視聴し、杉浦直美常務理事様より詳しくお話を伺いました。最近15年間の事業所づくりの歴史を駆け足でお聞きしました。2002年「生協ひまわり歯科」、2003年「百人会議」、2004年「グループホームなも」、2005年「生協ゆうゆう村」、2006年「千人会議」、2007年「小規模多機能ホームもうやいこ」、2008年「老健あんき」、2009年「生協のんびり村」、2010年「南生協病院」新築オープン、2011年「6万人会議」、2012年「10万人会議」、2015年「南生協よってって横丁」。駆け足でお聞きしても驚くばかりの活動実績で、すべてが市民参加の事業所づくりで、その活動のなかから担い手が広がっているとのこと。どんな事業所を作っていきたいかの徹底討議、開設目標にこだわって何度も地域訪問(これが、南医療生協を語る広報活動になる)。市民参加に徹底的にこだわることが、当事者意識を育む、事業開始から我が事となり、ボランティア体制がスタートして、継続して運営に積極的に関わることにつながる。
2015年からのおたがいさま運動の広がりについてもお聞きし、「おたがいさまサポーター講座」を開催し、全支部・全職場でスタートさせる。一人の困った!を本人の了解のもと「おたがいさまシート」を広げる人づくりをすすめ、1511人(組合員581人、職員909人など)のサポーターが誕生した。おたがいさまシートは年々増えていき、2011年・2012年の52件から、2015年は196件、2016年は333件、2017年は期中で202件となっています。おたがいさまシートは地域ささえあいセンターに提出され、そこで内容により振り分け、様々なボランティアにつなぎます。南医療生協には26のボランティアグループがあり、ボランティアは自分自身の自己実現であり、自己啓発、自発的・無償の活動との位置づけです。
南医療生協の総合的な地域医療とは、「医療の場は病院・診療所だけでなく、暮らしそのものであること。治す医療から治し暮らしまるごと支えあう医療。そのためには、地域と事業所の共同の力が大切。行政・公職者・NPO・他の事業者などあらゆる人々と手をつなぐことが重要」との考えです。
視察では「おがたいさまの家・みなあん」の抹茶サロンに参加して意見交流、南生協病院とよってって横丁を中村隆之事務長にご案内いただき、「生協のんびり村」を林清美管理者と山口義文副理事長にご案内いただきました。
7日には「グループホームなも」で管理者の廣瀬幸代様からご説明をお聞きし、看取りの取り組みのDVDを視聴しました。終の棲家としてのグループホームをどう作ってきたかがとてもよくわかりました。おたがいさまの家サロンだんらん(通称:イエローハウス)では中村八重子常務理事様よりグループホームなもの取り組みや地域での活動の歴史を改めてお聞きし、意見交換をさせていただきました。
最後に、南医療生協にもどり、視察研修全体を通して、山口義文副理事長と意見交換をさせていただき、南医療生協が取り組んできた組織風土の改革や理事会改革など長い時間をかけて積み重ねてきた思いをお聞きし、基本理念『みんなちがってみんないい、ひとりひとりのいのち輝くまちづくり』が浸透している様子を感じることができました。
また、成瀬専務様が懇親会の席でお話されていた『行政任せの上からの公共に頼るのではなく、下からの公共を私たち自らの手で創り上げていく。地域で目の前の「困った」に即応して、地域での個別的で多様な働きかけを広げ、地域のつながりを再構築していく。これからの問題は専門職と地域の連携でしか解決しない』とのことがば印象的でした。とても充実した視察研修となりました。