生活・自然・まちづくり。感じた想いを綴ります。
明けましておめでとうございます。
各会員生協の役職員の皆様が、組合員のくらしを支え、地域に根ざした活動に日々奮闘されていることに深く敬意を表するものです。
昨年は国連が定めた「国際協同組合年」の年として、県内の各協同組合及び関係する11の団体で「IYC長野県実行委員会」を構成し様々な取組みを進めました。7月に「シンポジウム」を開催するとともに、9月には、はじめて各協同組合が一堂に会した「協同組合フェスティバル」を開催し12,000人を上回る方々にご来場をいただくことができました。また12月には、信州大学経済学部において「協同組合の現在と未来」と題する連続特別講義も開講することができました。こうした取組みを通じて県民の皆様に広く協同組合の存在とその活動を知っていただくことができたと思います。
協同組合は、その原則にもあるように「共通のニーズを自らの事業を通して実現していく組織」です。そして、事業活動をするなかで大きな社会的責任をもっています。ひとつは「社会に悪い影響を与えないこと~最小限にする努力をすること」であり、自然共生・低炭素・循環型社会の実現に向けての取組みがこれに該当します。もうひとつは「組織の強みを用いて社会の問題の解決に資すること」です。コミュニティへの関与、地域社会づくりなどがこれに該当します。しかし経済的能力には限界がありますし、得意分野と不得意分野があります。だから互いに協同することが必要なのだと思います。
国際協同組合年にあたり、「協同組合の意義や役割」を広く社会へ発信する、言ってみれば「ソト」に向けた取組みを進めるなかで、私たちはあらためて「協同することの意義」(協同組合間提携の意義)を内部的にも確認できたのではないかと考えます。
私たちのくらしは、東日本大震災の甚大な自然災害、それにともなう大規模な原子力発電所の事故、そしてグローバル化の進む社会や経済の動向に大きく影響を受けています。人口減と高齢化は進んでいます。家計の状況はより一層厳しくなっており、食品の安全性だけでなく利便性や価格に対しても期待が高まっていることは日生協が実施した「2012年度全国組合員意識調査」でもはっきりと示されています。
過度の市場原理主義が行き詰まるなかで、人と人とのつながりを基本とする「協同組合の存在意義」が今ほど求められていることはありません。その期待に応え、くらしの変化に応え、長野県になくてはならない存在として、今以上に様々な分野・切り口で社会的な貢献を進めていくためには事業と活動の革新を進めていかねばなりません。そのことを念頭に、地域の人々と連携し、各会員生協の組合員・役職員の知恵と力を寄せ合って課題を克服し生協活動の輪を拡げるよう努力していきましょう。
2013年1月1日
長野県生活協同組合連合会
会長理事 上田 均