生活・自然・まちづくり。感じた想いを綴ります。
第60回通常総会の開会にあたり、理事会を代表しまして御挨拶申し上げます。本日は加藤副知事をはじめ、御来賓の皆様におかれましては、大変、御多忙のところ、私どもの総会への、ご臨席を賜り、この場をお借りし、厚く御礼申し上げます。また、全県より多数の代議員の皆様のご参集、誠にありがとうございます。併せまして日頃より県生協連活動に対する皆様方の深い御理解と御協力に心より感謝申し上げます。
3月11日東日本大震災、翌12日、栄村を中心とした長野県北部の地震、私どもには、決して忘れることの出来ない大惨事が起きてから、すでに3カ月が経とうとしています。被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。一方、被災地の生協では、地震発生直後から、全国の生協の応援も得ながら、自らも被災し厳しい中、地域のくらしの復興にむけ、まさに「一人は万人のため万人は一人のため」の思いで、生協としての役割を担うべく日夜、奮闘し続けております。長野県内の各生協も募金活動をはじめ、支援物資の提供、被災地への人的な派遣等、全力で支援活動を続けています。改めまして、会員生協の、この間の御尽力に、深く敬意と感謝を申し上げます。
しかしながら、被災地では原発事故による放射性物質の汚染なども相まって、未だ多数の方が極めて厳しい避難生活を余儀なくされており、このままですと復興はかなりの長期化が懸念される事態です。県連理事会としましても、今後とも、皆様の御協力を得ながら、全国の生協の仲間と共に被災地のくらしの再建にむけて、中長期のわたる支援に全力で、当たりたいと考えています。
さて、わが国のくらしをめぐる課題はすでに震災以前から極めて深刻な事態におちいっていましたが、今回の未曾有の大震災により、更に厳しい事態となり地域経済や事業活動にも深刻な影響を与えています。また雇用や家計への不安、食の安全安心、食料自給力の課題、福祉、教育、医療など私たちの不安はつのるばかりです。
ただ、この様な事態が深刻化すればするほど、一方で思いやり、助け合いの、協同の理念に基づく事業や活動が再評価される機運が世界的にも高まっています。国連では来年2012年を「国際協同組合年」とすることも決まりました。この決定を受けて、先日、私ども県内の農業、森林、漁業、生協の4つの協同組合で構成する長野県協同組合連絡会では、来る7月7日に「国際協同組合年長野県実行委員会」の立ち上げを決め、来年の協同組合年にむけて県下での取り組みの準備をはじめました。
私たちが安心して暮らせる地域社会を実現していくためには、住民一人ひとりが力を寄せ合い、お互いに助け合うことで自分達のくらしを良くして行くのだという協同組合の存在価値とその社会的役割が、今ほど求められている時はないと思います。まさに「一人の百歩よりみんなの一歩」の協同の理念が大切です。この様な時だからこそ、一人だけで百歩進んでしまうのではなく、むしろ、歩みの遅い人にあわせて、たとえその歩みは遅くとも、みんなで着実に一歩ずつ進んでいくことが大切なのでは、ないでしょうか。
私共、理事会では昨年来、第11次の中期計画を本総会に向けて検討してまいりました。その基調は教育、研修活動を重視し、地域ごとに生協間の、事業や活動の、交流・連携をすすめること。また「消費生活条例」に引続き、「食の安全条例」の制定など、くらしに関わる諸課題や自然災害に備えるためにも県行政や諸団体と連携、更には地域単位の自治体や住民とのきめ細かな協同・連携の推進。また長野県農業協同組合をはじめとした協同組合間の提携推進、地域での様々なネットワーク活動との交流提携をめざすこととしました。理事会では、この第11次中計の実現にむけてこれからの3年間、会員生協と共にそれぞれの立場から各地域で協同の輪を広げ、生き生きとした地域再生に貢献できればと思っています。
最後になりましたが、本総会の各議案について皆様の活発な御論議をお願いし、会員生協の総意で今後の県連活動の一層の充実が計られることを御期待申し上げまして、私からの挨拶といたします。